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「いい加減にしろ――――――っ!!!!!!」


穏やかな昼下がり。
青く澄んだ大空に似つかわしくない悲鳴を、ボンゴレボスたる若き大空が張り上げていた。


眩しい太陽の光が、執務室に降り注いでいる。
…そう、執務室の真上から。
怒り狂うツナを横目に、漆黒と濃藍は我関せずとぼろぼろのソファーで優雅に紅茶を啜っている。
執務室、というか屋敷全体がとんでもない惨状になっていた。
天井は吹き飛び、壁はぶち抜かれ、割れた食器や花瓶が散在し、焼け焦げた書類に至っては、もうただの炭というか埃同然である。
だというのに、そんな惨状を引き起こした当の本人達は素知らぬ顔で寛いでいるのである。
普段は温厚なツナの、溜まりに溜まった不満が爆発した。


「どうして二人はいつもいつもこうなんですかっ!!痴話喧嘩は余所でやって下さいよ!まかり間違っても、俺の執務室ですんじゃね―――!!」
うがー!と酔っ払い亭主よろしく既に真っ二つにされた執務机をひっくり返した。
本当にいい加減にしてくれ、怒られるのはなぜか毎回俺なんだから。(何それ理不尽とか言ってはいけない。既に俺が言って銃弾をプレゼントされたから)
しかも、二人の喧嘩の理由というのがこれまた何ともふざけたもので…もう俺は、そろそろ胃薬の準備でもした方がいいのかもしれない。
フゥ太に胃薬ランキングでも作ってもらおうか…言ってて空しくなってきた。


「本当に!お願いだから!後生だから!!…っ今夜の受け攻めのポジションが決まらないからって喧嘩で決めるのやめてぇえええええ!!!!!!」
最早、懇願であった。


だってありえないだろう。
男同士とかそんなのはこの際どうでもいい(むしろ二人とも美しすぎて釣り合う女の人がいない気がするから、ある意味お似合いだとも思う)。
二人ともプライドが高いから男役を奪い合うのも理解の範疇だ。
でも、だからって本気の殺し合いまでしなくてもいいじゃん!
俺の部屋でしなくていいじゃん!!(切実)



「うるさいよ、、沢田」
「全くです、せっかくのティータイムを邪魔しないで下さいよ」
「うわああああん!!もう嫌だこの人たち!!」
俺ボスだよね!?一応上司だよね!!?
「はっ、誰がボスだって?」
「頼むから守護者になってくれと泣きついてきたのはどこの誰ですか」
「俺もうボスやめるううう!!!泣」


泣いて飛び出す俺には罪はない!(…はず)
結局のところ、最強二人がくっついてイチャついてしまえば、強くなったとはいえ精神面は草食動物の俺には逃げ出すしか道はないのです。

でも、頼むから余所でやってくれ!!!

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