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「ま、まずいですよ…応接室には、雲雀さんって人がいて、あの…」
「知ってるよ。俺、その雲雀に応接室使っていいって言われてきたんだから」
「まさかのお知り合い――!?」


…騒がしいなぁ。
雲雀が居を構える並盛という町にきたはいいが、ここも地球と同じく暑い。日差しが半端ない。
仕方なくポケットに入れていた包帯で肌を覆い、番傘をさして目的地を目指すことにしたのだが、勝手もわからない土地ではどうしようもならない。
とりあえず見つけた相手に道を聞いてようやく辿り着いた。
学校、という建物は中々おもしろい造りだった。
個別の部屋に何十人が閉じ込められて勉学に励むらしい。俺なら絶対脱走するね、そう言い切れる自信がある。
しかも何だが騒がしいのが来たし…本当にアイツはこんなところで暮らしてるのだろうか。
…そんなメンタルあったっけ?
鬱陶しいのは即効で瞬殺してた記憶があるんだけど…。

そんなに面白いのだろうか、彼らは。
俺が見つけた、殺さなかった、あの侍のように。
だったら嬉しい、強い相手は何人いたって困らない、むしろ大歓迎だ。
その相手が地球産だとか、夜兎だとか、天人だとか、そんなことは関係ない。
どうだっていい。
あるのは強いか弱いか、ただそれだけだ。
強い者だけが生き残り、弱いものは死ぬ。
それが真理。それが世界。
それが、俺達夜兎。





ふわりと宙を舞う。
何だかよくわからない文句を言って噛み付いてきた男を軽くいなして後ろを取り、番傘の先を突きつけた。


「な…っ!?」
「殺し合いなら大歓迎だよ、さぁ、やろうか」



さぁ、俺の渇きを潤してくれよ。





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