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「今日はせっかくのクリスマスパーティなのにぃ…せっかく公的理由でヒバリさんといれるのにぃ…」
「ったく…おい、骸、悪いがヒバリに言ってきてくれねえか」
「なんで僕が…」
「仕方ねえだろ、このままじゃこいつが使い物にならねえ」
「全く…わかりましたよ」
「ホント!?うわありがと!骸まじ愛してる!」
「遠慮しときます。それは恭弥くんに言ってあげなさい」
「会う度言ってるから!」
「…ああ、そーですか」


哀れ、骸。
雲雀と仲が良かったのが運の尽きであった。

そんなこんなで、骸の説得により久しぶりに雲雀参加による守護者全員によるクリスマスパーティの開催となったのだった。
……のだが。


「うおお!極限に酒が足らーん!!」
「はは!獄寺が二人に見えるのな!」
「っせーよ!てめえこそ三人に増えてんじゃねー!」
「クフフ…どうしたんでしょう、真っ直ぐ歩けません」
「骸様がパイナップルに…」

「…おい、リボーン」
「なんだ、ダメツナ」
「どうなってんだよコレ!皆酔い潰れてんじゃねーか!」
「俺のせじゃねぇぞ☆」
「嘘付けえ!!」


会場は、見事に大惨事になっていた。
酒を飲まなかったツナ、リボーンと子供組以外、ものの見事に潰れてしまったのだった。
床には大量の空き瓶が転がっていて、もうなんというか…


「まさに地獄絵図だな☆」
「お前元凶だろ!!」


今日もツナの突っ込みは健在である。
だが、突っ込み要因であったはずのツナもすぐに(いろんな意味で)酔うことにあるのだった。
理由もこれまた簡単、かの人も同じように酒に酔っていたからだった。


「ねぇ…沢田…」
「ヒッ、ヒバリさん!?なんなんですかその色気たっぷりな状態は!そんなんじゃ誰かに食べられちゃいますよぉ!!」
「ん〜…」
「うわあああ!!ヒバリさんの吐息が俺の首に!!ヤバイちょっ…リボーンまじで何入れたんだ!」
「全部の酒をアルコール度数50以上に変えてやったんだゾ☆」
「だと思った!でなきゃお酒に強い骸やましてやヒバリさんが潰れるわけないもん!でもリボーンナイス!うわっほいヒバリさんが俺に甘えてるよ!!」
「ツナ、キャラが壊れてるぞ」
「ヒバリさんのためならキャラなんてドブに捨てるよ!」


雲雀は現在、ツナの肩に頭を乗せて絶賛甘え中である。
白い肌は薄っすらと赤く色づいていて、心なしか瞳も虚ろである。
普段はきっちりと締められているネクタイも、暑さからか緩められ、ボタンも第二まで外されていた。
まさに悩殺。


「あーもうヒバリさんカッコいいよ!でもでも、なんか今日は可愛い!あー骸マジでありがとう!いいもの見れたっ」
「…、さわだ、」
「はい!なんですかヒバリさん!」


ツナが一人、雲雀に悶えていると、不意に雲雀が口を開く。
口調はしっかりしているが、どことなくたどたどしい。


「むくろの…なまえばっかり、よぶな…」
「へ…?」
「いま、きみのそばにいるのは…ぼく、だよ。だから…ほかのやつの、はなしなんかするな…」

「つなよ、し……。」


ポツリ、とツナの名前を呟き、そのまま雲雀は眠ってしまった。
残されたツナは、言われた言葉の意味を考えて…


「傍に、いるのは、僕だから…他の奴の話するな、って……それって……っ、」
ツナは、その大きな琥珀色の瞳をこれでもかというほど大きく見開かせ、桜色に色づいていたその頬をさらに朱に染めた。


(だって、それって…っヒバリさん…)


十年越しの想いが通じるのは、すぐ先のこと…。

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