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「で、お前達を呼んだ理由だがな。成り行きとはいえここの体育館をしばらく占領してしまったお詫びだ…お前達、一日、ここの部員の面倒を見てやれ」


要するに。
自分の楽しみのために並中バスケ部の時間を奪ったので、その侘びにキセキの世代のメンバーで指導してこいという、赤司様まじ赤司様、な理不尽な命令だったというわけだ。
一気に力が抜けるも、赤司様の命令は――?\ぜったーい!/であるため反論も何も出来やしない。
諦めて、きらきらした眼で自分達を見つめるバスケ部員達のもとへと向かっていった。
その間に、存分にバスケをしてご満悦な主将様は、早々に帰り支度まで整え始めてしまったのだが。


「さて、恭、帰ろうか」
「そうだね。せっかくだから、夕飯でも食べに行こうか」
「俺は湯豆腐がいい」
「僕はハンバーグがいい」
「……」
「……」
「…ファミレス、行くか?」
「いや、もうホテル行こう。そこで作ってもらおう」
「そうだな…」


そんな呑気な会話を交わして、さっさと体育館から出て行ってしまう。
今日という日が、並中、キセキの世代共に大きな衝撃を与えた一日であったことは言うまでもないだろう。


「よかったね、沢田」
「へ!?」
「彼らに教われば、多少は上手くなるんじゃない?じゃあね」



最後にとりあえず励ましの言葉をかけて、今度こそ二人は去っていった。
収まりそうにないこの騒ぎを放置して。

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