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皆がそれぞれ帰ってから、僕も玲さんの元に帰った。
上手くいった。
かなり拙い駆け引きだったけど、玲さん曰く実力不足は色気で補え、色気も実力の一つ、だったから。
どうしても失敗したくなかった。
玲さんと離れたくなんてなかったから、使えるものは全部使った。
頭の固い一君が強敵だったから…。
玲さんとのキスの後だから、色気は出しやすかったしね。

「玲さん!」

少し前と同じように、椅子に座っている玲さんに後ろから抱きつく。
似たようなやり取りをした後、床に膝をついて玲さんの胸に顔を埋めて甘える。
髪をすいてくれる手の温もりが酷く心地よかった。

「玲さん…上手くいったよ。玲さんが教えてくれたようにできた。ね…褒めて、玲さん」
「ん、ちゃんと聞いてたわよ。いい子ね」

そう言って、僕の髪にキスをくれる。
足りない、というように抱きつく力を強めれば、額にキスが降ってきた。
顔を上げて、見上げれば優しくも妖しい笑顔の玲さん。
その笑みに酔いしれるように口付けを求めれば、それに答えてくれる。
しばらく柔らかな玲さんの唇を堪能した後、不意に玲さんのブラウスのボタンを外し、露になった胸元に顔を埋める。
そして、軽く舐めた後、そこに吸い付く。
綺麗に咲いた紅い華に満足して、もう一度舐めた後、玲さんを見上げる。

「ね…これで、合格点、くれる?」

返事の変わりに、玲さんは僕の胸元に同じような華を咲かせた。
嬉しくなって、僕はまた玲さんにキスをした。



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