short | ナノ


あの女、許さない。




「うふふ、ごめんね?あたしのために死んで頂戴」


イカレタ女に殺された。
見知らぬ女に殺された。

狂った理由で殺された!!





転生したい?
そのためには犠牲が必要?

ふざけるな、そんな理由で私を殺した?
何の関係もない私を?
殺して、自分だけ転生した?


「ふざけるな」

私は、これまで普通に生きてきた。
別に貧乏でも裕福でもない、…とりあえず、大学に入れてもらえるだけの余裕はある、ごく一般家庭に生まれて、普通に生きてきた。

今日はたまたまサークルの飲み会があって、それに参加して帰ってきたところだった。
日が落ちているとはいえ、それほど遅くはない時間帯だ。
なるべく明るい道を歩いて、もうすぐ家につくところだった。

そこで、突然。角から出てきた女に刺された。
痛んだ髪をピンクに染めて、どう見ても濃い化粧をした女が、私を刺して笑う。


「これで、あたしは転生できる!」

喚く女の言い分はこうだ。
私を殺して、それを代償に復活世界に転生トリップをする、と。
そこで私の意識は途絶えた。







「…アンタが神様ってやつ?」
「いかにも。今回はすまなかったな。破天荒な神が、禁忌を犯して勝手に契約を交わしてしまったらしい。…詫びに、主も転生させてやろう」
「だったら、アタシもあの女と同じ世界に、近くに転生させてよ!絶対許さない…復讐してやる…。くだらない理由で私を殺したこと、後悔すればいいわ」







嗚呼、本当に。
誰が悪かったのだろうか。






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