short | ナノ


結論として。
玲は、雲雀の賭けに乗った。
負けた時の代償だって、このままここにいればいずれ強制させられることだろう。
それなら、少しでも可能性のある方に、賭けたい。
恐る恐る頷くと、雲雀は浮かべていた無邪気な笑みを妖艶な男の顔に変えて、


「なら、さっそく作ろうか」


さきほどまで散々蹂躙していた玲の身体を、再び布団に押し倒す。
上がる拒絶の言葉も悲鳴も無視して、口付けて飲み込んで。
湧き上がる欲のままに、玲を犯した。
拒むその小さな手に、指を絡めてシーツへと縫い付ける。
身体中に咲いた赤の華に、それでも満足せずに新しい華をいくつも咲かせて。
柔らかな胸に触れて、丁寧に愛撫して。
何度も媚薬を飲ませて抱いたせいで、すぐに濡れるそこへと自身を沈めて、暖かく締め付ける感触を幾度も味わった。
狂ったように玲の名前を呼び、愛してると縋るように囁く。
泣き叫ぶ玲の声は甘く、いつまでも耳に残っていた。

しばらくして、気を失った玲の頬に幾筋も伝う涙の痕に愛おしげに口付け涙を舐め取って、肘をついて髪を撫でる。
彼女が身じろぎをしたために、擦れて鳴いた鎖の音に満足気な笑みを浮かべた。
時計を見てみると、寝るには遅すぎる午前三時。
近くに放っておいたスーツの上着から転げた小さな箱を拾い上げ、中に入っていた美しい装飾の指輪を玲と自分の左薬指に嵌める。朝起きた時、玲はこの指輪を見て、どんな顔を見せてくれるのだろう。
絶望に染まった玲の顔と、まだ見ぬ子を想い、玲の下腹部を愛おしげに撫でた。立ち上がれぬ玲には、戸棚の上に置いた検査薬の存在になど気付かない。自分でもわかるほど歪んだ笑みを浮かべ、いっそ慈愛すら感じられる声で、寝息を立てる玲の耳元で囁いた。


「馬鹿な子――…」









午前三時の結婚式
  (子供なんか、とっくに出来てるよ…)



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