ネタ帳 | ナノ
  04 //

次の日。
僕は一年生で剣道部のマネージャーをしている千鶴ちゃんのもとに足を運んでいた。
その理由としては、簡単なことで、名前ちゃんが千鶴ちゃんのことを嫌いだから。
なんか、千鶴ちゃんは僕のことを好きらしいんだけど、それが気に入らないんだって。
あと、あの性格が嫌いなんだってさ。
…ほんと、可愛いよね。
可愛い可愛い彼女におねだりされてしまえば断れるわけなんてなく、可哀想だけど、千鶴ちゃんにはズタボロに傷ついてもらわなきゃね。
…つまり、遊んで捨てるってこと。
ヤったりキスしたりする気はないけどねー。
だって、千鶴ちゃんって純情っぽいからさ、そんなめんどくさいことしなくても騙されてくれそうじゃない。
平助とか一君とか剣道部の面々は協力してくれるみたいだから、やりやすくて助かるよ、ほんと。
アイデアは左之先生にもらった。
あの人、頼りになるよね、うん。
さすが歩く十八禁。
そんなことを考えながら、一年の教室へとやってくると、周りの黄色い声を無視して扉を開けた。

「千鶴ちゃん、いる?」
「お、沖田先輩っ!?」
「仰る通り、沖田総司です。千鶴ちゃん、明日って暇?」
「明日…ですか?はい、暇ですけど…」
「だったらさ、僕とデートしない?映画のチケット二枚貰ったんだ。友達が彼女と行くはずだったんだけど、なんか行けなくなったらしくて…」
「え…?」
「僕とじゃ、嫌?」
「そ、そんなことないです!ぜひ行かせて下さい!」
「よかった!じゃ、一時に駅前ね。楽しみにしてるよ」
「はい!」

…なんか、あっさり引っ掛かってくれて拍子抜け。
彼女は僕達と違って、人を疑うことを知らないからなんだろうけど。
まぁ、いいや。
とりあえず、にっこりと表面上だけ笑顔を作り、名前ちゃんのもとに帰った。
結果を報告するために。



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