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血の海という表現は此処では厳密に正しくは無い。
何故なら海というのは深く底が無いものであって、今現在の状況には相応しくないからだ。
其処は辺り一面、真っ赤な空間だった。
佇む少女、佇む少年。
あまりに不釣合いな二つの影。真っ黒で真っ赤な少年は、けらけらと笑って口を開く。



「嗚呼。君の平等は温いね」

「僕は愛してる、アイしてる!此の世の全て、誰も彼も、無条件で無意識に無防備に愛してる!皆みんな平等だよ、皆平等に



―――――殺すんだよ」






だからね、君の平等は嫌いだ。
だって薄っぺらいよ、皆が大好き?誰もを守りたい?嗚呼、御結構な理念だけどね、君さ、どうせ自分の命が危険に曝されたら、躊躇うだろう?
最終的にどうとかじゃないよ。躊躇う。その思考回路が挟まることが大事なんだ。
極限に近付けば近付くほど消える「平等」「博愛」

嗚呼。僕は違う。僕は。
命の灯火が掻き消されようとすればするほど、区別なく差別なく、誰もを愛す。
愛、アイ、哀。そう、愛だ。愛するから殺すんだよ。
極限に近付けば近付くほど、僕の「平等」と「博愛」は強まる。

何も考えられなくなる。手当たり次第殺したくなる。

ね?ほぅら。
僕の方が、正しく、「平等主義者」で「博愛主義者」だ。



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