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「…あぁ、君か。何の用だい?」
夜の帳も下りた頃、ここらで一番高級であろうマンションの最上階。その部屋の中で一人の少年が携帯を手に何か話し込んでいた。
降り続く雨の音が断片的に聞こえる中、彼は電気すら付けていない。
立ち上がったままのパソコンの人工的な光源のみが、その広い部屋を薄暗く照らしていた。
風呂上がりなのか、黒のスラックスに、上半身はタオルを羽織っただけというラフな格好で会話を続けていた。
「――そう、彼が来るの」
電話越しの楽しそうな声に告げられたことに、彼もまた新たに与えられた愉悦に心を躍らせ口角を上げる。
今、二人を知る者が彼らを見たならきっとこう言うだろう。
似たもの同士の魔王様、と。
電話を終えて、ベランダに出る。雨の合間をぬって眼に飛び込んでくる街のネオンを見つめて、うっすらと笑った。
「…楽しくなりそうだ、」












「……くす、」
切られた電話を見つめて笑みを零す。さて、楽しい愉しいお遊戯の時間だ。
まずは主役を呼ばなくては。
「テツヤ、来い」
告げられるのは絶対の帝王の言葉。
それを聞いて、無人に見えていた部屋に一人の少年を姿を現す。
消えそうなほどに儚かったその存在感は、彼の命令で人並みにまで戻っていた。
「…呼びましたか、赤司君」
「ああ、お前に特別任務だ、拒否権はないぞ」
「僕が赤司くんの命令を拒否したことがありますか――?」
「ふ…ないな」
「でしょう?で、任務内容はなんですか?」
その言葉に、赤司はディスクの上に手を付き、蟲惑的に微笑んだ。
「この中学校に、俺として行ってこい」
そう言って、詳細の書かれた書類を手渡す。
頷いてそれに目を通していた黒子だったが、ある箇所に書かれた名前を見て僅かに目を見開く。
「…雲雀、恭弥」
「ああ、そろそろ全員に彼を、キセキのもう一人の創立者を紹介してもいいんじゃないかと思ってな」
「なるほど…まだ三人しか面識ないですもんね」
了解しました、ボス。
それだけ言って、黒子は部屋から出て行く。再会の時は近かった。







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