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  内部事情 //

その日、僕の機嫌は最悪だった。
いきなり課外授業だとかで、並盛高校ってとこに転入させられたっていうのももちろんある。
だけど、まぁ正直転入自体は構わないんだ、葵ちゃんさえいれば。
実習メンバーも仲のいい彼らとだったしね。

不機嫌の理由なんて簡単。
ここに来た早々、数人の不良が葵ちゃんに手を出した。
もちろん、加勢にきた仲間と一緒に斬ってあげたけどね。

……真剣でじゃないよ?
竹刀で、ね。

まぁ、そんなこんなで機嫌は最悪。
葵ちゃんとは学年も違うし…。
大丈夫かな、変な奴に絡まれてないかな。
彼氏の欲目抜きでも、葵ちゃんはかなり可愛いから…。

昼休みが待ち遠しい。
早く葵ちゃんに会いたい、抱きしめたい。

校舎案内をするとうるさい女の子達に張り付けた笑みで断り、あてがわれた机に突っ伏した。
あぁ、もう、鬱陶しい。
僕に寄ってくる女の子なんて、葵ちゃんだけでいいのに。





その日、総司はとにかく機嫌が悪かった。
いつも以上に優しい笑みを浮かべていて、瞳は氷点下。
笑っているのに、絶対零度の冷えきった瞳をする総司は、さすがに俺でも怖いと思ってしまう。
静かで苛烈な怒りと苛立ちを抱えている総司に気付かず、寄っていく女達には正直感服した。

大方、葵絡みだろうな…とは容易に想像がつくが、だからといって俺が下手に動けば、さらに総司の機嫌を損ねる結果に終わるだけだろう。
骨折り損のくたびれ儲けは遠慮したい。
昼休みまで…何事もないことを祈るばかりだ。



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