窓から参上!

どうも、再びこんにちは、沢田綱吉です。
あの波乱の入学式から一日経ったんだけど、まだ俺は悩んでる。
本当にここに入学してよかったんだろうか…なんか、中学の時以上に波乱の予感がするんだけど…。
……まぁ、悩んでても仕方ない。
今からは部活紹介の時間だし、考えるべきなのはこっちだよね。
俺は、実は剣道部に入りたかったりする。
いや、あんまりいい思い出がないのも事実だけど、憧れてたんだ。
今までは、俺…どうせ自分なんか、ってやりもせずに諦めてた。
でも、リボーンや獄寺君や山本や…たくさんの人に出会って、自分にも出来ることがあるって知って…。
もっと、色んなことに挑戦したくなったんだ。
やりたいことがあるのに、やりもせずに諦めるなんてしたくない。
だから…飛び込んでみよう、せっかくの高校生活なんだ。
後悔は、やってからすればいい、それでも遅くはないはずだよね?

……なんて、ちょっとかっこいいこと考えてたっていうのに…
お願いだから!俺の決意を返して下さい!思った三秒後に後悔したよ!!

そう思ってしまう原因は、またしてもあの先輩方にあったのだった…。


「えーと、剣道部副部長の沖田です。部長の一君が忙しいっぽいから急遽変更になったんだ。だから言うこと何にも考えてないんだよねー…あ、とりあえず、剣道部は全国大会にも毎年出場してる優勝候補だから、練習厳しいよ。なんせ、顧問が土方先生だからね、というわけで、おもしろ半分の子は来なくていいから。あと…」
………。
またもや登場、お騒がせ先輩。どうやら沖田先輩と言うらしい。
何回見ても、とんでもなく綺麗な人だ。優しそうな甘い笑顔を浮かべて始終ニコニコとしている。
しかし…意外と彼は毒舌である。
「あ、今までの戦歴を言えって言われてたんだった。えっとー…インターハイ団体戦、連続五年優勝。それから、前年度個人戦優勝は男子が僕で女子が葵ちゃん…雪村葵ね。腕に自信のある人はかかってきなよ、いつでも受けてたつから」
喧嘩売った――――!!
何でだよ、この人怖い!!怖すぎる!殺気バシバシじゃん!
ここで頬を染められる女子を本当に尊敬する…
なんて、呑気に思っていられたのここまでである。

突如として響いた凄まじい音と共に、体育館のガラスが割られ、人影が飛び込んできた。
その人影はそのまま沖田先輩の方へ突っ込んでいく。
危ない…っ!
とっさにそう叫びそうになるが、その人影が誰かを瞬時に確認した沖田先輩は、とっさにその人を抱きとめる。
そして、少し呆れたような声で話しかけた。

「……葵ちゃん、何してるの?」
「土方先生と一ちゃんと恭弥に追いかけられてた」
「何したの、」
「部活紹介サボって豊玉さんの俳句を暗唱してた」
「それは素晴らしい試みだね」
「でしょ、梅の花ー一輪咲いても梅は「葵――――!どこ行きやがった!!」…げ、来た、豊玉さん」

そんな雪村先輩の声を遮って、土方先生の怒鳴り声が聞こえてくる。
ちなみに、壇上の二人の声はマイクを伝ってばっちり聞こえていた。
…ご愁傷様です、土方先生。




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