速やかにご退散願います

「てめぇらいい加減にしやがれ!入学式まで騒ぎを起こすな!」
「えー別に大したことしてませんよ」
「全部僕達のせいですか?これだから、偏見ばっかりの大人は嫌だなぁ」
「……てめぇら…」

恐ろしい顔で二人の先輩を睨みつける教頭先生。
それを笑顔でからかう先輩達。
…勇者だ。
ちなみに今の状況としては、前のステージに先輩達が正座させられてて、先生がそれを怒鳴りつけている。
……入学式どこ行った。これは説教式か。
新入生は完全にスルーされている。

「そろそろ足痺れてきたんで、帰っていいですか?」
「おい、まだ五分しか経ってねぇぞ」
「それでも痺れました。僕らの身体も心も土方先生と違ってデリケートなんで」
「ふざけんな。身体は置いといて、てめえらの心がデリケートだったら殺人鬼だってガラスのハートだ」
「酷いですね、私達の心もガラスのハートですよ、硝子細工波の繊細さです」
「ああ、ガラスはガラスでも、防弾ガラスな」
「脆さの欠片もないじゃないですか」

ところどころから忍び笑いが漏れてくる。
これ…笑わずに如何しろと?
必死に唇をかみ締めて笑いを咬み殺すが、肩が震えていまう。
頼みます…先生!お願いだから先輩達を帰してあげて!
じゃないと、新入生大変だから!
腹筋鍛えられすぎて、腹だけマッチョになるから!
唇咬みすぎて、口紅の需要減るから!
そんな俺の切実な願いが届いたのか、遂に先生は叫んだ。


「もういい!てめぇら、帰れ―――!!」
「「喜んで――」」




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