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皆、彼の変貌に唖然とした。 それもそうだろう。 昨日までおどおどと自分達に怯えて教室に入ってくるのでさえためらっていたあの彼が。 まさか満面の笑みで挨拶をしながら教室に入ってこようとは。 ……一体誰が予想できただろう。 だが、次の瞬間さらに驚くべき発言が寄越される。
「あれ?今日はバケツとか黒板消しとか降ってこないんだ。つまんないなぁ、せっかく楽しみにしてたのに」
"楽しみ"……?
「フフ、じゃあカッターは入ってるかなぁ♪」
にこやかに笑いながら自分の机を蹴り飛ばす。 ガチャンガチャンと音を立て、彼の机に仕込まれていたカッターやら虫の死骸やらが、教科書と共に宙を舞う。 それを楽しげに見つめるダメツナ"だった"少年。
「やっぱつまんないよ、こんだけなの?」
もっと凄いの期待してたのにさ。 言いながら、ニコリとした笑顔を崩さずに死骸を上履きの先でツンツンと蹴るツナ。
もう、皆。 何も言えなかった。
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