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時は過ぎて、休み時間。
「ねえ、二人はイギリスからきたんだよね?どんな学校??」 「っていうか凄い美人…///」 「恋人いる!?」 「アド教えてよ!!」
やっぱりというかなんというか…。 見事なまでの質問攻めである。 人間嫌いのラミアは露骨に、心底嫌そうな顔をし、興味のないアストーは自分の姉の髪をいじっていた。
うーん、入りにくい。 今月に入って五度目の遅刻をしてしまっていたツナは、そう扉の前で悩んでいた。
「ま、つっ立ってるわけにもいかないしね」
ルンルン、とでもいう感じに扉に手をかける。 中から明梨の声が聞こえると、彼は一層笑みを深くした。
(楽しみだよ、悲劇のオヒメサマ?)
(笑っていられるのも今のうち)
(せいぜい醜く足掻いて、)
(俺たちを楽しませろよ…?)
昨日の夜に聞いた、背筋の凍るような楽しげな言葉を思い出し、 "本当に"だなんて呟きながら、 ツナはゆっくりとドアを開けた。
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