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瞳が、赤く光る。 ツナは、目の前の光景が信じられなかった。
「な、んで…」
動揺を隠し切れない。 だが、雲雀はいたって冷静であった。
「吸、血鬼……?」
ラミアの首に牙を立てるアストー。 アストーの首に牙を立てるラミア。
互いに抱きしめあいながら、お互いの首に牙を立てていた。 妖しく光る真っ赤な瞳。 言葉に出来ない美しさ、妖艶さ。 恐ろしいはずのその光景に、ツナは思わず見惚れていた。
牙を引き抜く。 そして、唇を重ねる。 ピチャ、という音が静かな応接室に響いた。 そっと離れると、二人はツナへと視線をやる。 鈍く光る二つの双眼が、ツナを捕えた。
ゴクリ。
我知らずに唾を飲む込む。
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