手術室のランプが灯る。
あの後、到着した救急車で病院に運ばれた雲雀とツナは、それぞれの処置を施されていた。
治療が終わったらしい雲雀は、手術室の前の椅子に座っている。
幸い、左腕は骨折を免れていた。
骨にひびが入っているだけで済んでいる。
大事をとっての入院はしなければならないが、それでも軽症なことには違いない。

だがツナは……


(僕が、守ってやれなかったから…綱吉は……)
罪悪感が胸を締め付ける。


「ごめん、綱吉…ごめんっ」


無意味だとはわかっていても、口に出さずにはいられない。
何のための謝罪なのか。
守ってやれなかったことに対してか、自分が弱いことに対してなのか。
それこそ、無意味なのに。



哀しい懺悔は、手術室のランプが消えるまで続いた。






ふっ、とランプの光が落ちる。
雲雀はすぐに扉に駆け寄った。

「っ綱吉は!?綱吉は大丈夫なの!?」
「落ち着いて下さい。手術は成功したから、もう大丈夫だすよ。しばらくは絶対安静だですが…」
「よ、かった……綱吉…っ綱吉!!」


不思議と、涙は出なかった。
安堵のあまり、涙も引っ込んでしまったらしい。
その日、雲雀はツナの隣の病室で眠りについた。


月の綺麗な、夜だった。










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