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――――キキィッ ドンッ!!
アスファルトの上に投げ出される小さな身体。 つんざくような悲鳴と、耳障りな野次馬の声。 今の雲雀に、周りを気にする余裕など、まさに皆無だった。
「―――――――綱吉っ!!」
どうして。 どうして。
あの後、着物から普段着に着替えた2人は、屋敷から遊びに出かけた。 雲雀の屋敷は、並盛町内とはいってもかなり端のほうにあるし、私有地も莫大なので、今ほど人目を気にせず遊んでいた2人。 久々に街の方に行こうとしていたところだった。 目の前でぶつかり合う車二台。 トラックにより跳ねとばされた軽自動車が、離れた場所にいたハズの2人の方へと飛んできた。 その頃から雲雀は、かなりのトンファー使いであったが、車には適うはずもなく。 2人とも、車にぶつかり、アスファルトへと投げ出される。
だが、上手く受け身をとり、左腕をぶつけただけで済んだ雲雀と違いツナは……
アスファルトを自身の血で濡らし、ピクリとも動かなかった。
「綱吉っ!!しっかりして綱吉!!!」
必死に名前を呼んでも、反応がない。 痛む左腕を押さえ、何度も何度も呼び掛ける。 次第に近付く救急車の音も、もう耳には入らなかった。
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