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「え、……俺の、幼なじみ……?」 「そうだよ。……6年前、事故に遭ったのを覚えているかい?」
ポツリ、と零すように雲雀が言った。
「え?うん…車の衝突事故に巻き込まれた、あれでしょ?」
その時のことを思い出したのか、少し痛そうな顔をするツナ。 雲雀はそんなツナを安心させるかのように、優しく笑いかけた。
「そう。あの時ね……君は彼らのことだけを忘れてしまった。彼らのことを思うあまりにね」 「恭弥……」 「事故に、だなんて……」
驚きながらも、少し労るような表情を見せるラミアとアストー。 ツナは、そんな2人を見て、哀しいような嬉しいような懐かしいような、なんとも言えない感情に胸を締め付けられる。
(俺は、この人達を、知っている…?)
知らないハズなのに、どうしてだか懐かしくてたまらない。 思い出したい。 ツナはそう強く願った。
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