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今日はホグワーツの天辺にある天文台へ上ってみることにした。ここからの眺めは格別良い。
校長先生の意向なのか高そうな機材が沢山未開封のまま置かれていることから、恐らくわたしの授業のためにしてくれたことなのだと解釈した。家から持ち出した地球儀を置くまでもなかったみたいだ。木箱を一つずつ開封していくと沢山の星図や、今学期必要なのであろう教科書がびっしりと入っていて、
あ‥気が遠くなってきた。



教科書を倉庫に移す途中、壁の窪みに不自然なへこみがあったので手を掛けて引っ張ってみたら、埃まみれの小さな部屋が現れた。中には随分前から部屋の持ち主が帰ってこないのだろう、試験管や実験道具に土煙がこびりつき、何かの専門書なのか、開いてみると薬草のページに癖がついているのかすんなりと開いた。‥難しそうだったのですぐに閉じたけれど。 ページの最後に筆記体で名前が書かれていた。かすれてBしか読めなかったが、この部屋はこの人が必要で隠れて作ったのだろう、それならわたしが暴く必要もない。今更報告もしなくても支障はないし。元の通り扉を閉め、引き続き開封作業に時間を費やした。











「みょうじ、片付きましたかな」

「わあ!驚かさないで下さいようスネイプ先生!」


「‥作業をするのは構わんが、時間はきちんと確認しろ」



気が付けば西日が部屋に差し込み、空はオレンジに青みがかかっていた。懐中時計を見るとあと五分で夕食の時間になろうとしているところだ。



「でも、これでいつでも授業が出来ますよ」


「‥まともに浮遊呪文も出来ん奴が


「ラカーナム、インフラマレイ!」


‥‥何を――、」




スネイプ先生の言葉を遮るように、壊した木箱の木片に火をつける。火の玉が杖先から飛び出して‥良かった、ちゃんと燃えた。 ちらりと先生の方をみると随分と驚いている――、というより震えていた。まさかわたしの成長ぷりに感動したのだろうか。




「いかがですかね!」

「馬鹿者!燃やすなら燃やすと言わんか!」

「あはっはははい!すみませんすみません!!」





「‥‥だが悪くはない。引き続き怠るな」




‥‥‥今、気のせいかもしれないけれど、誉められた?‥まさか。ついに頭だけじゃなく耳まで悪くなってしまったのか。中耳炎にでもなってしまったか。



「アー、あなた本当に‥スネイプ、先生、ですか?」




思わず聞き返すと、スネイプ先生は我に返ったように、またあの、むすっとした表情で早足で天文台から出て行ってしまった。
あれ?じゃあやっぱり本物だったんだ。



20110311

あの部屋はですね‥
‥つい書きたくなってしまいました