家に帰った瞬間、いきなり、誰かに抱きしめられた。いや誰かじゃない、ミナキさんだ。
「み、ミナキはん!?」
「ななし、少し見ないうちに更にきれいになったんじゃないか?」
「嫌やわ、三日前に会ったばかりどす」
「離れろよスイクンオタク、だってさ、ななしの心の声が僕には聞こえる」
「そんな事ないよな?な?」
「いや、はよ帰って(会えて嬉しおす)」
「心の声と本音が逆だよ、流石僕のななし」
「あにさんのとおへん」
「ほら見ろ、ななしはマツバみたいな変態を兄に持って大変そうだ、私のようにもっと紳士的になるといい」
「ばかじゃないか」
「ミナキはん、相変わらずあほやなあ」
「えっ何だ、兄妹が団結してるじゃないか」
「珍しいな、ななしがそんなにストレートに物を言うなんて」
「あにさん、うち疲れてますのや」
「ああ、そっか、今風呂沸かしてくるから待ってな」
「ななし」
「なに、ミナキさん?」
「今日泊まってもいいかい?」
「宿がないなら、初めから言ったらいいのに」
「ごめんなさい」
(あ、口調がいつも通りだ)(マツバにいが、やきもちやくのよ。にい以外に標準語使うと。‥マツバにい!ミナキさん泊まってくって!)
(‥‥は?)
20110513