妹思い
「あにさんあにさん」
「ななし?‥‥どうした?」
「‥お願いがあるんよ」
「うん、言って御覧」
「ひ、百万円ほしい!」
「‥」
「‥あかん?」
「‥うーん」
「あ、あにさん‥やっぱり」
「いいよ、はい。それ位ならこの口座にあるから」
「え、ええええ!!?」
「好きなだけ引き出して持っていきなよ、必要なものなんだろう?」
「え‥でも‥」
「大丈夫、僕の口座だから。いいかい、銀行でこのカードとメモを見せるんだよ」
「‥あにさん、これ、リーグ協会の‥!」
「ああ、大丈夫。全部取ってあるんだ。ななしが何かしたいって思ったときにすぐ僕が力になってあげられるように」
「あ‥あにさん‥!」
「ん?」
「‥っ‥ふええ!か、堪忍え!うそや、百万円なんかいらんの!堪忍え‥!!」
「え‥なんだ、嘘だったのか。いいよいいよ」
「‥ごめんね‥?」
「ななしは悪くないよ、あ、でも僕が言ったのは全部本当だからね、‥いつでも言うんだよ」
+
「‥やっぱり、マツバさんなら絶対ななしさんの言うことなら何でも聞くと思いました!」
「‥予想外だよなあ、リーダー、もう少し冷静だと思ったのに」
「ふうん、ななしが泣いたんだけど、あんな要求やらせたお前らのせいって事かな‥ん?」
「うわ!」
「げっリーダー!」
「取り敢えず向こう1ヶ月はジムに入れないと思えよ」
「‥案外迫力があるな」
「ミナキ、来てたのか」
「ああ、今日の味噌汁の中身は何がいいかと思って」
「わかめと豆腐と葱」
「分かった」
「すっかりうちに順応してる気がする」
20110603
妹の頼みならなんのそのなマツバ