2013 three
地に縫い付けた星屑
なめらかな母胎
砕け散る前に永遠をみつけたい
静かな微笑みで其処にいる
そばだつ悠久の刻
(ゆうりさん / 夜空・海・大地)
夜にワープ
昏い酸素を欲しがった
すきとおった闇をたべる
氷った海のそこで
ハンモックで眠るといい
(こよりさん / クリオネ・真夜中・呼吸)
思考はマーブルの渦
濡羽色をもてあます
退屈な午後はビター
いやに広い暗がりに
アンバーの警告信号
(海苔さん / 黒髪・琥珀色・一人ぼっち)
結末にはまだ早い
君の癖を幾つ知っても君の気持ちには近付けない
使者としてのぼく
背中合わせですれ違う
君の目を塞いだことが答え
(レイナさん / 幼なじみ・使命・真実)
かけらを集めて墓標にしよう
夜を閉じ込めた球体
もうすこし起きていようか
昏の満ちた部屋
結い上げたうなじに月光の誘惑
(笑流さん / 夜更かし・かんざし・ビー玉)
眼光で裂かれるなら本望
師子と王冠
首を擡げた天香国色その瞳
紅をあやす唇
落ちるまで愛すよ
(ゆらさん / かんばせ・ナイフ・牡丹)
ふくらむ影
甘いしじまにくるまれて
キンと冷えた静けさ
助からない助からなくていい
やすらかな喉に牙を立てる
(中田さん / 餡子・静寂・怪獣)
ミスリードまで手を引いて
双眼鏡は空を見ない
澄んだ目がよっつ
目深にハンチング、外套はインバネス
真実はとっておき
(あめやさん / 双子・ミステリ・探偵)
ながれもあへぬ花びらのやう
またたきの隙間
現世を切るうろこ
夜のしずくを吸い育つ悪夢
春の切り傷が膿んでいる
(染谷さん / 夢・桜・泳ぐ)
まだダンスをしている
秘密はランプシェードのうえ
安全な闇に沈んでいたい
すべり落ちる音階で
迷い子だった頃のわたしへ
(西瓜さん / 夜の国・絹の川・覆いかぶさる涙)
弔いには真珠
肺まで染まれ
涙に潜る
うつしよのさかいめは透き通る青で描く
そこでまたあおう
(空倉さん / 水中・お葬式・ぶくぶく)