2011 free request


「手折れない瞳」
壊したがる言葉、かぐわしい嘘
傷つけかたを知らない凶器
取り残されたままのわたしは未来を描けない
使いふるした手に毒されるのはごめんだ
「ほんとうは、汚れないままのきみよりも、」
(クレアさん / 傷だらけの純白)



「肺呼吸の仕方」
青白い息を吐く
わたしの欠片を返して
拒むひとはいない
一人劇の成れの果てよ
伏せたまぶたが凍るまで
(薙原さん / 孤独な少女についての考察)



「空白がしみる」
雪どけを待つだけ
塗りつぶすようにわたしを殺す
幸せで窒息出来たあの日の午後を抱く
すべての後悔がわたしの心に向かって牙を向ける
真実を見えなくした瞳できみと抱き合う夢を見た
(嫁海さん / このかなしいという気持ちにどう向き合えばいいの?)



「約束はしない」
冗談にひとつ忍ばせて
踵を鳴らして待ってる
すれ違ってきみが遠い
後ろで呼吸を聞いてた
今からでも間に合う?
(飴子さん / もどかしい男女、恋人未満)



「繋がってるの」
くちづけで心まで溶かしてください
お揃いの背中にやわらかな風が吹く
見つめあうふたりに言葉はいらない
絡めた指先には甘く彩った夜が来る
マフラー、ドーナツ、痛み、悲しみ。ぜんぶ半分こしてしあわせになろう。
(くらこさん / 会話またはバカップルなお題)



「とくりと疼く」
動き始めた月曜日
伸縮と戸惑いの火曜日
鼓動が震えた水曜日
きりりと痛む木曜日
リズムを重ねた金曜日
強く強く叫ぶ土曜日
日曜日、わたしは生きている
(はゆさん / 心臓の法則に則った一週間)



「瞬けば流星群」
透明な闇を飲む
淡い孤独を溶かした
まどろみの中に君の声
ちゃちな魔法が目を覚ます
寂れたネオンとピンヒール、それから香水
(トモサキさん / 夜から連想されるもの)



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