夏は胸から切り開かれて
戻らない水のひかり
君の骨と混ざりたい
仮面をスワイプしあう夜に
量産される愛のすべて


望まれたとおりのかたちになった僕を君はモンスターと呼ぶ
血液の中の告白
ひとかけでも本物でありたい
ハンドルを握る手の冷たさ
魂を撫でないで


掛け違えた記号
逆走するからだ
ドライフラワーの加護
命を数えてねむる日
太陽のない影


今日もわかりあえない畦道
葉脈の迷路
スパイス投げ捨てる夜
辻褄の合わなくなった僕を終わらせて
この青い罪滅ぼしを笑ってくれるなよ


毛羽立った魂のこと
大理石としてのプライド
君の胸で泣きじゃくる使命
何色でもない瞳で
飽きるまでふたご


無欲の唇
眠らぬ炎を見たばかり
もう大人らしくなんてしない
縦の話は夢うつつ
ダイヤモンドのささくれ


砂を舐める花
額縁を定義する
乾きを知らない喉が愛をくれと叫ぶ軽さで間違えてしまいたかった
ポップコーン前夜
かりそめに収斂する日々


こぼれだすピアノ
両手に夏を提げて
悪夢はいつか僕と同じ形になる
センチメンタルの骨格
どうかきみよ灯台であれ


スペアらしく凪いでいる
形の違う心臓
烙印を求める血液
枯れゆく辞書のかんばせ
カタルシスの天辺で


はじまらない朝のために
あなたを知る髪を切る
うらぶれた白熱灯
鏡の割り方
底冷えから掬い上げて



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