イフにまみれた水族館
この部屋にこびりついた夜だけが君の存在を繰り返す
霙の恋人
ありふれた脱線者
欲望を三乗
感傷を喰らうにはおあつらえむきの夜
執拗に描く闇
メトロノームが刻む終末
増幅する切なさをソナーに
君の夢に潜る
気球クッキー
永遠の波止場にて
イルミネーションは泣いている
それは幸福の残滓だ、君はまだ歩かなくちゃいけない
警笛と甘え
潰した花がら
むせび泣く子宮
ライオンの喉仏
選り好みした真実の糖度
一等星をフィラメントで繋ぐ
夜明けの足音が届く頃
やうやう落ちてゆく
一般的エゴ
いつまでも少女のよう
泥と踊る
ペン先で刺せばいい
死因探し
何度だって呼ぶよ
喉に落とした秘密
空に詰め込んださよならが溢れ出すこんな夜には
ふしだらな午後
ひた隠しのナイフ
呼吸を深くしたら君の宇宙を飲み込んでしまえる気がした
夜明けの足音が届く頃
かなしみをラッピング
可愛い捕食者
爛れた昼の真ん中で
白い肌の祈り
はやくしんでね恋心
台座はあなたのものじゃない
住み着いたまぼろし
錆び付いたまやかし
あなたを繋ぎとめる呪い
絶望の降り積もる街
空白をなぞるように今日をはじめたい
眼窩に添えた花の名は
あなたの時代がやってくる
喚けば届くわけじゃない
掻き抱いて三日月
優しくなれる薬