まどろみのなか、差し込む朝日の眩しさにゆっくりと目を開ける。
白いカーテンが風に揺れて、ちらちらと陽光が見え隠れしていた。
どうやら窓を開けたままにしてしまっていたらしい。どうりで少し肌寒いわけだ。
顔を窓から背けて寝返りをうつと、すぐ傍で恋人が寝息をたてていた。
昨日は疲れきっていて、気絶するように眠ったから服は着ていない。そう言う私はちゃっかり肌着を身につけているけれど。
そうだ。昨夜は久しぶりに私も彼女も任務がなくて休みで、だから、久しぶりにヒートアップしてしまって。窓を閉めるなんて考えられないくらい暑くて、熱かった。
穏やかに眠る彼女が、数時間前まではあんなに乱れていたなんて、誰が想像できるだろうか。
珍しく素直に私を求めてくれたのが嬉しくて、少しいじわるしてしまった。
怒ってないかな。怒ってないだろうな。だってあんなに気持ちよさそうだったんだもの。
むきだしの白い肩に触れて、撫でる。びくんとその肩が震えた。
彼女のこんな無防備な顔も肌も、私しか知らないのだと思うとぞくぞくする。
昨夜の情事を思い出していると、私の奥がきゅんと疼いた。
……ああ、どれもこれも、この恋人がかわいいのが悪い。
肩に添えていた手を背中に伸ばして、背骨をなぞるように指を滑らせる。
すると彼女はびくびくと背中を仰け反らせて、驚いたように目を開いた。

「おはよう」
「お、はよ、リナリー」

私の顔を見るなり真っ赤になって目を逸らした彼女に、くすくすと笑ってしまう。
今さら何を恥ずかしがる必要があるのかしら。何度も一緒に夜を過ごして朝を迎えたというのに。
まだ眠そうに瞼を伏せているその表情も、すごく綺麗だ。
身体の中心がまた欲を持つ。彼女を欲して疼いて、仕方ない。
目覚めたばかりの彼女には悪いけれど、昨晩の続き、といこうか。
覆いかぶさって指と脚を絡めると、彼女は目を見開いて文句を言いたげに口を開いた。でもそれを深い口づけで塞げば、諦めたように私を受け入れてくれるのだ。
兄さんにも誰にも秘密の朝。
絡み合う指も脚も舌も熱も息も、全部私たちだけの秘密。
恋のカタチに制限なんてない。そうでしょう?

それは甘い目覚め



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