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『なぁ、何で俺から逃げたんだよ』
誰だって逃げる。
俺を捕らえて動けないようにしたいんだろうけど、俺は一人の人間だ。
独占される玩具じゃない。
俺は愛の力とやらで束縛なんかされたくない。
気持ち悪い。
馬鹿馬鹿しい。
俺は俺だ。俺の自由だ。
あんた達他人に拘束されることはない。

快楽の伴うセックスは大好きだ。お互い遊びのセックスは相手のこと考える必要がない。
そのセックスに気持ち悪い愛の言葉が入ってみろ、性感帯擦られようとも吐き気しかしない。
快感を伴って性的に抱かれるならまだしもただ抱き締められるのなんか何の嬉しさもない。キスも嫌だ。萎える。
嬉しさなんてない。
それをバカみたいに勘違いしてるどこかの誰かが当たり前に毎日してきてみろ、生きてるのが鬱になる。
せめて何も考えずに遊びで抱かれようにも拘束されたらどこにも行けない。
言葉で伝えようにも伝わらない石頭に伝えるのにも疲れる。

俺は人生に疲れてたんだ。



「コウ」
気持ち悪い。
そうやって呼ぶな、お前の目の前で胃の中の汚いもん全てぶちまけてやろうか。
大体何で俺は見つかった。いや、こいつの居る環境に俺が飛び込んできたんだ。
ここに来なきゃ良かった。折角の大学生活にとんでもない誤算が出てきた。
いい加減にしてくれ。

大体あんたは国立の医学部志望じゃなかったのか。
何で私立の、しかも医学部ある大学なのに…
教育学部と同じキャンパスの理工に居るんだ、



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