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「所で横瀬お前ってさ、高羽弟と付き合ってんの」
児玉先輩に頭を撫でられている添田先輩がぼそりと呟く。酎ハイ(コーヒーミルクの奴って言ってたから何かは知らない)を注文した横瀬先輩はグラスの中身を飲み干して言う。
「んなわけないじゃないですか。元々タツは幼なじみだし、カツ兄もタツの兄ちゃんだからってだけだし、私カツ兄に嫌われてますもん」
笑いながら横瀬先輩は言う。
「あぁ、補足するとあそこの席でもたれてる男二人組のこと話してんだけど、さっきから携帯2台弄ってるのがカツ兄こと高羽克紀先輩。理学部創造理工科の4年生。そんでもう一人のビールグラス持ってる先輩が宮内祐樹先輩ね。理学部化学科?だっけ。その4年生。宮内先輩は私よく知らないけど。んで…あ、タツこっち来るわ」
横瀬先輩が話してると長身大柄の人が来る。高羽先輩にそっくりだ。こっちは眼鏡掛けてないし茶髪にしてるけど。
「児玉先輩添田先輩お久しぶりっす。横瀬、ピッチャー貰っといた」
彼はそう言った。
「こいつがタツこと高羽竜義。カツ兄の弟で、理工学部の情報理工科2年ね。機械絡みなら何でも修理してくれるから頼めばいいよ」
理工学部の情報理工はこの学校でも特に頭がいいと聞く。
「お前必要以上に頼むくせに態度が横柄なんだよ、いい加減修理代取るぞ」
タツ先輩は苦笑してワイングラスを飲み干す。
「高羽弟ワインとか飲み放で贅沢なんだよー」
すっかり酔ってる添田先輩が言う。
「俺洋酒好きなんですよ。日本酒とかだめなんで」
「その一方で酎ハイだとちゃんと酔えないとか意味分かんない持論持ってるし。酎ハイがジュースなのは分かるけどさ」
例の名前分からないサワーを貰った横瀬先輩はジュース感覚なのかがっつり飲む。
「…俺は一回お前に日本酒とか度の強いやつがっつり飲ませて限度が知りたいわ。兄貴なんか酎ハイとかサワー1杯でもだめだしな…」
タツ先輩は髪をかき上げる。
「つかかなり年上に見られる21が飲み放でオレンジジュース頼むとかどんなけ異質か、しかも端で大人しく飲んで親交とか我関せずすぎて危機感感じて連れ出してきた俺まじ馬鹿みてぇ…」
タツ先輩は溜息を吐いた。
「あれっ高羽弟酔ってる?」
「酔ってませーん」
タツ先輩は酔っ払いの常套句を述べた。

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