※童話パロ
※キャラ選択本当にごめんなさい
※グリム童話じゃなくて某ネズミ系目指してるから基本残酷ではないよ!多分←



昔々、ある所に一人の少女が住んでおりました。
少女は家族ととても幸せに住んでおりましたが、
ある時少女のお母さんが亡くなりました。
哀しみに呉れたお父さんは新しいお母さんを連れてきました。
しかし新しいお母さんには二人の娘がおりました。
新しいお母さんと二人の娘は少女からお父さんを奪い自分達はとてもとても裕福に幸せそうに暮らしておりました。
少女は大切な父親を奪われたばかりでなく、かつては雇われていた手伝い人に代わりありとあらゆる家事雑務を一人でこなさなければならなくなってしまったのです。





 ずっと恋しくてシンデレラ





さて、魔界の例の絵本、今回はシンデレラのようです。
「つか俺最近影薄いなー思ってたけどこの仕打ちは何だよ」
今回見事主役シンデレラに抜擢されたのは古市貴之君。
ですが、彼には何か文句があるみたいです。
「あるに決まってんだろ!!普通俺男なんだもん王子様じゃね!?」
すると近くに居た2匹のネズミが言いました。
「仕方ないよだって恥将だもの」
「藤崎字が違う字が違う」
「痴将?」
「そっちでもねぇよ?!」
繰り広げられる会話に古市は凹み気味になりだした。
『灰かぶりー早く片付けしてちょうだい!』
古市は溜息を吐く。
「じゃあカズ君も梓ちゃんもネズミ捕りにはホント気をつけてね!」
ネズミ役の二人は古市に対し笑顔で敬礼した。
「「古市さんもお仕事頑張って下さいね!」」

灰かぶり古市の一日はとても忙しい。
何しろ4人の家族の料理から掃除洗濯庭掃除まで何から何まで一人でこなさなければならない。
僅かな休憩は二人のお姉さんのご機嫌取り。
「灰かぶり?!遅いんだけど!」
自称“せかいでいちばんうつくしいおねえさま”の美破が上のお姉様。彼のご機嫌取りが正直一番しんどい。
いや、それ以上に…
「ほらクズが。さっさと働きなさいよ」
とヒルダ激似のヨルダに言われてしまっては堪らない。
「「お母様!!」」
「全くあんた屑ね。早く金持ちの結婚相手でも探しなさいよこのクソオカマが」
「…!!灰かぶり、今日王子様から国中の女に舞踏会のお誘いが来てるのよ!
だからアタシを綺麗に整えて頂戴!」
「あーっ!お姉様狡い!!灰かぶり、次こっちだから」
美破の性別を分かって言っているのか、下のお姉様役の三木も早く!と古市を急かす。
「玉の輿玉の輿!!」
「王子様イケメン!!」
「あと灰かぶりはドレス直し終わったら倉庫の片付けと豆の仕分けと暖炉掃除して頂戴」
古市は溜息を吐きながら裁縫を始めるのであった。

「パネェっすね!今の聞きました?!」
普段灰かぶり古市が優しく接している動物達が集合した。
「うるせーよ花澤…でも正直しんどいな、俺達からしても古市は舞踏会に行かなきゃいけないしな」
「つか“シンデレラ”の設定上そうだろ」
ネズミ役の姫川と神崎も応じる。
「わー姫川先輩夢がない!!」
「取り敢えず古市が舞踏会行けるように服作ってあげなきゃいけないですよね、今日だったらもう時間ないですよやりましょう」
「そうよねー雑用古市にドレス作る時間はないわよね…」
小鳥役の花澤、谷村、大森も考え込む。
「…そもそもあの姉貴共もだけどあいつら正式な性別の設定大丈夫なのかよ」
「それに対し本来の私達を取り戻すためにもたかちーを舞踏会に連れてきますよ!頑張りましょう!!」
「つかこれいつまで続くんだよ?俺ヨーグルッチ取りに行きたいんだけど」
「神崎ちょっと空気読めつか黙れ」
「あ、先輩、俺らも今の話聞きました!一応探せる範囲で探した布きれとかは持ってきたんですけど…」
山村と藤崎の二人は布きれやら糸やら色々抱えて持ってきた。
「おっナイス!よし俺達でドレス作っちまおうぜ!!」
「「「了解!!」」」
そうして各々作業に入るが…
「つか葵ねーさんどこなんだろ…」
「夏目と城山も居ねーし」
「そもそも男鹿っちは?」
「三木さん出てる時点で相当滅茶苦茶じゃん!?」
「あっ糸きれた」
沈黙。恐る恐る口を開いたのは神崎だった。
「あー、誰が取りに行く?」
「よし行こうか神崎。普通にあの変態姉貴共の部屋行きゃあるだろ?」
「ちょっ待てって姫川ぁ!」
姫川は神崎の服を掴みそのまま引きずっていざ材料探しに行ってしまった。
「猫には気をつけて下さいねー」

「ちょっ痛い離せ!」
神崎の訴えに対しぱっと手を離した姫川。
「つかお前誰だよ…痛い痛い痛い!!」
姫川はいつの間にかリーゼントを解いており、何度見ても見慣れない神崎はつい聞いてしまうのだ。
それに対し姫川は再び服を掴み引っ張っていく。
「とにかく今から俺が猫の囮になるから神崎お前はさっさと糸と布、あとビーズとか色々取りに行ってこい」
姫川はそう言い神崎をクローゼットの上から突き落とした。
「いってぇなあのフランスパン!人突き落とすとかあいつまじ何なわけ」
神崎も姫川も今現在ネズミである。人ではない。
そして突き落とされた神崎は渋々取りに行く事にした。
まずは地面に落ちてた糸ボビン。クローゼット上から垂れ下がっているリボンに吊り下がっている姫川に投げようとして―
「あっ神崎せんぱい避けて下さいやぁぁぁ」
神崎の上に花澤が落ちてきた。
「…お前何の為の羽根なんだ」
「だっていきなり姫川せんぱいが連れてきて突き落としてきたんですよ?!有り得ないっすよね!?」
取り敢えず花澤を落ち着かせて話を聞くと、どうやら荷物を花澤がクローゼット上まで運んでくれるらしい。そこからネズミ穴で屋根裏の古市の部屋まで運ぶという算段である。
「よし、じゃあまずこの糸ボビンを頼む」
神崎は花澤に渡し、再び自ら探しに行く。ちょうど良いところに毛糸玉があった。
「よし取りに行こう」
しかし神崎は気づかなかった。
毛糸玉が不自然に動いてた事には…

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テーマ「人外ファンタジー」
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