一つ欲しい物があるならば



4月17日。

自分の誕生日に対して俺が恋人に求める事は金がらみじゃない。
欲しい物は何もない。
ただそばに居て一緒に誕生日の日を過ごして欲しい。
家柄が家柄でも大して(俺より)お金がある訳じゃないし、
まぁ例えお金があったところで欲しい物があれば自分で買うし。
俺が恋人に対しては物は求めない。
ただ共に過ごして欲しいだけ。

それを何か勘違いしたバカ女どもはわざわざ自らの身を削り望んでないのに勝手に物を買ってくる。
物で俺を釣ろうって考えが見え見えなんだよ。
それでもバカ女どもは俺が何を言っても誕生日に物を寄越して一緒に居ようと心構える。
正直鬱陶しい。
だが、これだから女ってやつは面白い。
俺が好きなわけじゃなく、俺の金、姫川財閥が好きなんだからな。

まぁ女の話をすると俺の恋人は苦虫を噛み潰したような顔をするのだが、
本来恋人に対して他の奴とかの話をすればそういう反応するのは当たり前なんだが。
個人的にはその顔をするってのは人によっては余計煽りたくなるんだよな。

要するに、今の恋人―神崎も、余計煽りたくなる。
だから俺は大して好きじゃない女はべらかして奴を嫉妬させるんだ。
神崎も神崎で俺の魂胆は見えてるみたいだし、
何だかんだでも俺には神崎だけだし、
奴もそれをちゃんと分かってる。

だから俺が自分の誕生日に神崎に求めるのは、

何も要らないからただ側に居て欲しい。

それだけ。



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