待ち合わせに神崎が来ない。
姫川は苛々していた。集合時間はとうに1時間は過ぎてる。
♪〜
着信音。期待して携帯の画面を開いたら踊る文字は『夏目慎太郎』…余計苛々する。
でも電話に出ないとこいつ機嫌悪くなるしな…
こいつ怒らせると色々後が面倒くせぇんだよな…
「…何だ」
仕方無く姫川は苛立ちを込め応答する。一方…笑い声しか聞こえない。ぎゃあぎゃあ騒いで耳障りなので姫川は切ろうとした。
『もしも〜し、姫ちゃん?…あはは、今超面白い事起きてるから…ちょっ、何、あ、止めなよ神崎君!』
神崎君?神崎今夏目と一緒に居るのかよ?!
姫川の苛々は最高頂だ。貴重な時間を、約束を反故にされた。で今夏目と一緒。
「もういい、切る」
『姫川ぁっ…ごめん…』
耳から聞こえたのは高い声。
姫川の思考は停止する。
『お願い、来て…』







何だこいつは。
姫川は呆然とするしかなかった。
姫川の眼前には小学校低学年位のちっこいクソガキ。だが顔は良く見知った奴だった。
「朝起きたらこうなったんだよ…!!」
ちっこい神崎一が涙目。正直、

クソ可愛い。

「神崎君可愛すぎるー!!慎太郎お兄ちゃんが面倒見てあげるからね!」
夏目が鼻血を出しながら悶えながらちびっ子神崎に抱きつく。
城山は神崎の頭を撫でる。
「恐らく男鹿嫁の仕業だと思われますが…」
あぁ、あの夫婦はミラクルだからな…
「姫川にどう言ったら良いか分かんなかったから城、山呼んだら夏目も来て…」
「何その夏目なんか要らない、って物言い」
夏目はむくれる。実際夏目は要らないんだがな…と頭の片隅で思ったが姫川は口に出さなかった。
「そうだ、遊園地行こうよ!」
夏目が突如言う。馬鹿かこいつは。
「城ちゃんがお父さんで僕がお母さんね。」
おい、俺は除け者かよ。姫川が低く零す。
「えっじゃあ仕方ないから姫ちゃんは隣の人」
「ゲーセンがいい」
一人勝手に話を進める夏目を速攻却下したちびっ子神崎。よくやった。
しかし子供(中身は高校生だけど)は時には残酷である。

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まさかの長編自重\(^o^)/

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