※短い
※死ネタ
※色々捏造
※例により意味不明







カチカチ、響く時計音。
ピッピッ、機械音。
「古市…」
よく今迄長生きしてくれた、今迄。
本当にありがとう、
男鹿は肉のついてない、皺だらけの手を握った。



さよなら僕の青春群



魔王の一族と契約した人間は寿命が永くなる。
契約した魔王が亡くなる時が最期の時。
その影響もあり、普通の人間より老化も遅くなる。
実際例が現魔王の末っ子の息子である。
名はカイゼル・デ・エンペラーナ・ベルゼバブ4世。
長いのでベル坊と幼少期の頃から呼んでいた。
生まれてからおよそ110年は経ったが見た目は未だに小学生位である。
そしてそのベル坊と契約した男鹿辰巳は生まれてから100年経っている。
しかし外見は未だ20代だった。
「やっぱ…正直こういうの淋しいんだよな、」
自分とベル坊を置いて、皆がどんどん旅立っていく。
高校の時の友人先輩、今迄関わってきた色々な人との別れを経験した。
皆一様に「ベル坊の面倒をちゃんと見ろ」とばかり言って逝ってしまった。
あのおっさんもこうして沢山の大切な人を喪っていったのだろう。
いつだったか知り合いの学校の校長が同い年の友人の子孫でそのコネを色々使ったのだと言っていた。
見るからによぼよぼの老人に若い男。
丁度今の――俺達みたいに。

「男鹿さん、父と一緒に居て下さりませんか」
古市の息子家族にそう説得され、男鹿は古市との最期に立ち会う事になった。
100歳。よくこんなに長生きしてくれた。
古市は日中は今も昔と変わらず元気だが眠ってしまうと無機質な病室内なのもあり静かだと急に淋しく、心配になってしまう。
「古市、」
二度と目覚めなかったらどうしよう、不安しかよぎらない。
昔に戻りたい。学校帰りにコロッケ買ったり、
何だかんだで色んな奴らが学校に集まってて、あの頃が一番楽しかった。
あの頃の奴らも、もう皆逝っちまった。
古市は何だかんだで俺の側に居てくれた。本当に本当に感謝している。

だけど、
無機質に音を刻んでいた機械音が、

あれっ、

周りがざわつく。

なぁ、俺を置いて逝くなよ

彼は穏やかな顔で、



ふるいち、

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って設定だったらまじ凹む

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