仗助の父親ジョセフ・ジョースターが杜王町に訪れてきたのが数日前。
美登里を含めた事情を知る関係者は、ジョセフの前では朋子の話題を避けるようにと事前に仗助に言い含められている。
ジョセフと仗助の母は所謂不倫の仲であった。
その事からジョセフの正妻側の家族に仗助が配慮しているのだろうと思っていたが、少し違うらしい。
「ジョースターさんならともかくよぉ…、
お袋の耳にでも入ったら、あの人何が何でもジョースターさんに会いたくなっちまうと思うんだよなぁ…」
苦い顔してあれこれと考える表情を浮かべながら仗助がぽつりと零した言葉を受け止めて、美登里も他言無用はしないと心に留める。
それと同時に、長い間連れ添ってきた母親の心情を重視する仗助はやはり心の優しい青年だと思う。
仗助が隠し子だという事実がまとわりつくにも関わらず、後ろ暗い所がないのは母朋子と祖父良平から平等に信頼を与えられた環境によるものではないかと美登里は気がついた。
一度だけの良平との食事の席に、東方家の雰囲気がとても居心地のよいものであった事は美登里の印象に深く残っている。
そんな中仗助からとある依頼をうけて、放課後、美登里は彼とともに杜王グランドホテルに訪れていた。
ジョセフもしばらくは承太郎と滞在するという話しであったから、多忙である承太郎の代わりにジョセフの身の回りの手伝いなのかと思いきや、ある「赤ちゃん」のお世話を手伝って欲しいという依頼だった。
「ほんっと急なお願いだったのに受けてくれてありがとな、美登里ちゃん」
「ううん、全然平気だよ。
小さい子好きだし、それに従兄弟も小さい子多かったからお世話に慣れてるし…。
でもお役に立てるかな…」
「そんな心配する事ねーって。」
会話も承太郎の部屋の前に着いた事で一時的に中断し、美登里は仗助の後から室内に入っていった。
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