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その週明けの登校日。

登校した美登里の顔に大きな絆創膏がある事に心配した様子で一体どうしたのかと問うクラスメイトに、美登里は単なる掠り傷だと誤魔化した。

優等生である美登里がひと騒動引き起こした傷であると話すには印象が悪くなるだろうし、何よりスタンド能力がない一般人に説明する事は混乱を招くだろう。
 
お昼時間になると、食事を楽しみにしていた生徒たちがそれぞれお気に入りの場所でお昼にありつこうとしている。
美登里も同級生の女子グループと一緒に教室で食事をとろうと、協力し合いながらテーブルや椅子を動かしている時にふと仗助に声をかけられた。

「あー…、美登里ちゃん。
ちこーっといいっスか…?」

思わず美登里は友達の顔を伺いみてしまったが、彼女達の顔には予想通り羨望だとか困惑の表情が浮かんでいる。
仗助はよかったらお昼ご飯も持ってきてもいいと言ったが、それはますますクラスメイトの女子達の視線を浴びてしまうので美登里は遠慮した。

 
仗助に導かれるまま着いたのは屋上だった。
ついて来たはいいものの、仗助と2人きりになる事が久しぶりだったので美登里は急に落ち着かなくなってしまった。いつもなら億泰君や康一君がいるのにと思った。

仗助が適当な場所に座るのを美登里も微妙な距離を保ちながら、彼の隣に腰を落ち着かせる。
恥ずかしさが勝ち、美登里は両膝を抱えた状態で顔をうつ向かせていた。

しばらく2人は押し黙ったままだったが…。

「その傷…どうしたって聞いていいっスかねー」

と仗助が尋ねるので美登里は彼の方へと顔を向ける。

ポケットに両手を突っ込んだまま、ぼんやりと青空を眺めている様子も何かと様になる。思わず見とれてしまうが、気を取り直して同じスタンド使いとして尊敬する彼の問いに美登里は素直に答えようとした。

「無理に、って言わねーからよ…、
俺のクレイジー・ダイヤモンドで治していい?」
「あっ…うん、勿論…」

思いがけない申し出に気の抜けた言葉しか出せない自分に内心バカと罵りながらも、美登里は傷を覆っている絆創膏をゆっくりと剥がす。
剥がした所で、ふと仗助君の能力は物の状態を戻す能力ではなかったかと思い出した。
治すと戻すとは言葉の意味が異なるが…。

そう疑問に思いながらも仗助のスタンドであるクレイジー・ダイヤモンドがゆっくりと自分の顔に手を這わせるのを、美登里はじっと動かずに感じていた。
仗助の能力を2度目の当たりにしているが、いずれも物質を叩きつけるといった少し乱暴なものだったので、こう優しく手が触れている行為は別物のように思えてしまう。

…何だか胸が暖かくなってきてしまって、美登里は思わず涙を流してしまいそうになった。

クレイジー・ダイヤモンドによる傷の修復はお陰で短く済み、再び2人の間に沈黙が漂う。
意を決して美登里は口を開いた。

「…仗助君のスタンド能力って、物を戻す能力ってだけじゃあなくて治す能力もあったんだね」
「…まあ基本的に物を治すっつー能力なンだけどね。
物を壊しても元通りに戻せるから、何かやましい事をしても上手く隠せるってわけ」

自分の能力に何てことはないとユーモアに言う仗助の様子に、美登里は柔らかく笑み、両膝をぎゅっと抱えなおしてまた続けた。

「そっかぁ…そうなんだね。やっと仗助君のスタンド能力が分かったような気がする。
…仗助君のその力、凄いなぁ」
「…」
「さっき、クレイジー・ダイヤモンドが傷を治してくれた時何だか暖かい気持ちになれた…。
こうやって仗助君は困った人達を助けているんだなぁって改めて分かって…。
…私は何か人の為に出来ているんだろうか」


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