×
「#お仕置き」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -





 
5月の連続休暇まで後1週間。
世間的にも休暇に胸を高鳴らせる高揚感が段々と露わになってくる頃。

そんな期間の土曜日に美登里は母と叔母とともにS市に来ていた。

叔母は母の妹で、4人姉妹の末っ子である。
母とは年が離れているが、仲はとてもよく彼女の仕事の都合があえば東京にあった美登里の旧宅にも泊まりに来る事もあったので、引っ越し先のS市でも遊びに来ないかと母がちょくちょく誘っていて、それがついに実現したのである。

泊まりに来たのが昨日つまり金曜日の事で、母がパートで仕事をしている代わりに美登里は授業が終わるなり杜王町駅に叔母を迎えにいった。

美登里が駅前広場に到着すると駅を往来する人々の中でも見覚えのある姿が見つかったので、叔母の名前を呼びながら駆け寄る。

彼女の思惑通り、叔母だと見当した人物は呼びかけに反応して今まで見上げていた駅前広場に設置してある大きな地図看板から、ゆっくりと顔をこちらに向けてくれた。
叔母は姪の姿を認めると美登里の方へと小走りで駆け寄ってくる。

叔母は女性としては長身ですらりとした体つきをしており、髪型は顎までの長さに切り揃えており活発そうな性格が見て取れる。
少し低めの鼻と切れ長の瞳は美登里と似通っている。
ちなみに顔の特徴は母、叔母の父つまり美登里の祖父譲りらしい。

「お久しぶりです、千穂さん」
「お久しぶり元気にしてた?大きくなったわね〜」
「-----んー、そこにいるのは…?」

叔母との久しぶりの再会に喜び合っている美登里の耳に聞き覚えのある声が飛び込んできた。
声の方向へ顔を向けると、学校帰りの億泰と仗助であった。
彼らはこんにちはーと挨拶しながら美登里達の方へと近づいてくる。

「おう〜〜美登里と…お姉さん?顔がそっくりだなぁ」
「あ、億泰君と仗助君…。
えっとね、この人は姉ではなくて叔母の…」
「叔母と言わなくてよろしい。
初めまして、美登里のお友達?」

叔母といわれる事が嫌いらしく、美登里の紹介を遮り自ら名乗りでた叔母の行動に苦笑いを浮かべる美登里の顔をじっと見つめる仗助なのであった。
億泰はというと何だか浮かれたように叔母と話し続けている。

話をそこそこに切り上げ旅の疲れを癒すべく美登里の家と向かいたいと叔母が言うので、荷物を沢山持っている彼女の代わりに美登里がタクシーを捕まえに行く為にその場を離れる。
何故か仗助も一緒についてきた。
叔母は広場にあるベンチに腰かけ、億泰の話し相手になっている。

タクシーは正午を過ぎたこの時間、なかなかつかまりにくいのが難点だ。
仗助と美登里は駅前の大通りの角に立って、タクシーをつかまえる事にした。

タクシーを見つけられるようにと目をこらして注意深く大通りを往来する車をみる美登里に、無言ではあるが仗助も同じようにして数ある車からタクシーを探し出そうとしてみせる。
身長が高い分、往来を行き来する車の中からタクシーを見つけ出したのは仗助の方が早かった。

仗助と億泰は美登里と叔母がタクシーに乗るまでに見送ってくれた。

タクシーが動きだし2人が手を振るのを美登里も叔母も手を振り返したが、2人の姿が見えなくなるのと同時に叔母はにやけた笑みを浮かべるので美登里は怪訝そうに「どうしたの?」と問う。

「何って…、隠さなくても分かるわよ〜〜?
美登里の好きな人が誰だか分かっちゃった」
「な、何を言っているのかなぁ〜?千穂さん…」

美登里が焦りをみせれば焦りを見せるほど、叔母は不敵な笑みを浮かべるので美登里は少しだけ口をとがらせてみせた。


(2/6→)






-30-


目次へ