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仗助と美登里は恋仲になったものの、特に日常的に大きな変化はない。
付き合っていることを隠していても、いつかは気づかれてしまう。ましてや、この小さな町や学校ではそういった人間関係に関する秘密はすぐ表沙汰にされると、仗助はそう言うとコーヒーを一口飲む。

今、2人がいるのは街からちょっと離れたカフェだ。
穴場のこの場所は街の中心部にあるカフェドゥマゴより客層は上がり、ゆったりと過ごせる雰囲気が醸し出されている。
ぶどうヶ丘高校はちょうど2日前から夏休みに入り、2人は私服姿である。少し年季が入ったペイズリー柄の2人掛けソファに向かい合って座っていた。
吉良の事件から数日経っている。ようやく2人きりになる事が出来たのは、今日が初めてだった。

「別に付き合ってんの隠すだなんて、そんな野暮なことはしないぜ。だって事実だし」
「あっうん、そうだね…」

仗助の言葉に顔を赤く染める美登里に、仗助はふっと笑いを零す。

「…なに?」
「いや〜、美登里ちゃんから告白されたの何だか嬉しくってさ。その気持ちが伝わってきてたから、ようやくか〜って感じでさ」
「…そっか、仗助くんには分かってたんだ…」
「ま、まあ…あんだけ顔に出てたら分かるって…」

仗助が揶揄うように放った言葉に、美登里は眉尻を下げる。それに慌てたように弁明する仗助。

「…仗助くんは今まで付き合ってた人はいる?」
「え、ええっとなぁ…手紙は何度かもらったことはあんだけど、付き合うの美登里ちゃんが初めてだぜ」
「…それならよかった」

美登里の問いかけに、仗助は少し動揺しながらも答える。真っ直ぐにこちらを見る彼女の瞳に、嘘をついてはいけないような雰囲気があった。
仗助の言葉に満足気に微笑んで、美登里はアイスティーを飲んだ。

「…誰かと付き合うなんて想像してなかったっつーか、…お袋とじじぃのこともあってどこか他人事みてぇな感じだったよ」
「…お2人の仲は許されないものかもしれないけど。まだ子供の私には分からない部分があるけど。
朋子さんはジョセフさんを愛していたのは確かだし、ジョセフさんも朋子さんを一人の女性として愛して、仗助くんのことも認めてくれたでしょう?

それは一番大事なことだし、だから私も仗助くんのことを大切な人だと思ってる。
私の告白を受け入れてくれてありがとう。いつまでも仗助くんと一緒にいたいな。」
「…うん。ゆっくり俺らのペースでやってこーぜ」



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