「…私、今まで仗助くんの能力は『治す』という行為しかないと思ってた。
でも、そういう行為は仗助くんの気持ち次第で色んなことに使えるんだね。それをどうこう言える訳じゃあない。
仗助くんのその能力は、仗助くんのものだから。…だから、これからも私達を守って欲しい。」
美登里はそういうと、未だぎこちない様子で微笑んだ。
「…でも、あんまり無理をしないで欲しいなって思うよ。
仗助くん、よく私に危ない事をするなって注意してくれるでしょ。
でも、仗助くんも結構体を張っているよね。その度に傷ついているのも見かけたよ。
…もしかして、クレイジー・ダイヤモンドはあなた自身を対象に出来ないの…?」
美登里は疑問を口にする。そして一度たりとも、仗助から目線を逸らさなかった。
自分をまっすぐ見つめる美登里に対して、仗助は彼女と真摯に向き合わなければならないと感じた。自分をここまで信頼し、心配してくれる人物は今まで家族以外にいただろうか。
「…うん、そうだよ。美登里ちゃんはやっぱり頭がいいなァ」
「…だって、仗助くんが自分の身体を"治す"ところを見たことがない…」
「…」
美登里は仗助の回答を受け取ると、複雑な気持ちになった。
そんな気持ちになるのは、仗助本人がやけに飄々とした態度だからだろう。
スタンドの発現から10数年経っている彼は、自分の能力を全て把握している。
出来ること、出来ないことを体験している。
ましてや、"治す"という行為は人の生き死にに関わることもあるだろう。
美登里は、改めて仗助のスタンド能力の一面を知った。それと同時に、彼の内面が垣間見えたような気がした。
仗助は、何か思い詰めたような表情を浮かべている美登里を見つめる。
大人しい性格の彼女が実は自分と同じような激情家であることは、一緒に行動するようになってから徐々に分かってきた。
なので、このような話題になることはなるべく避けていた。
「…きっと美登里ちゃん、この話聞いたらいろいろ考えちゃうんだろうなァって思って、俺からそういう話をしないようにしてた」
「…他に誰か知っているの?」
「まー億泰と康一には話してある」
「…知らなかったの、私だけなのね。
でも、言って欲しかったよ。
何も知らないまま、仗助くんの身に何かあったら…」
美登里はそう言うなり、目に溜まった涙を拭く。
「…伝えなかったのは、ホントごめん」
「…」
仗助はそう口にするも、美登里は眉を顰めるばかりだ。
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