「…学校生活は楽しいかい?」
「えっ!あ、はい!コウコウセーらしくやってます!」
「…それは良かった…」
「ひ、博己さんって音楽お好きなんっすね!
趣味が同じで嬉しいなぁ〜って、あはは…」
「…まあ人並みにな」
博己の一言しか続かない言葉をどう展開させようか、と仗助は苦戦する。そして脳裏には、同じように寡黙な年上の甥を思い出す。
「…美登里はあまり学校生活のことを話してくれなくてね。
まあ年頃の女の子だから仕方がないかもしれないが…男親としては寂しいものだ」
「… 美登里、さんとはよく話す方ですけど真面目な分、責任感が強くて突っ走ってしまうことがあって…
でも、博己さんや美すずさんが心配する程ではないと思うんすよね。それが彼女の強みの部分でもあると思うンで…」
「…」
博己は仗助の方を見遣り、そして思案顔で頬杖をつきながら再び押し黙る。その雰囲気の中で、音楽は依然として静かに流れている。
仗助が知る限り、この歌は1960年代に活躍した海外アーティストによるものだ。
「…君は随分と、美登里のことを知っているようだね」
「あーその…仲良くしていただいてます…」
おどおどとしながら、はっきりしない物言いをする仗助に博己はくつくつ笑う。
「…ははは。なに、批難する訳じゃあないさ。むしろ喜ばしいことだと思っているんだ。
美登里が初めて自分で目標を立てるようになったのは、君のお蔭だと聞いている。
… 美登里の父親としても、感謝したい。
ありがとう、仗助くん」
「えっ…いえいえ、そんな…」
謙遜する仗助に、博己は柔らかく微笑む。
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