スピードワゴン財団の職員と面会を終え、美登里達は杜王グランドホテルに戻った。
仗助が静の子守りをしながら待機をしている部屋に戻ってくると、美登里は安心した。
そして社会的に活躍しているスピードワゴン財団の真の目的について知っている数少ない人物になったと思うと、何だかとてつもない事態になってしまったと美登里は感じていた。
仗助は部屋に入ってきた露伴をみると、怪訝な顔つきをする。露伴も露伴で、いつもの冷たい目付きになっており、部屋のドア付近から動かない。
その光景をみて美登里はやっぱりか…と溜息をつく。露伴邸での一件以来、仗助と露伴はお互いを相性が悪いと認識しているようで、意識的に避けている節がある。
「露伴君、そこで立ってないでお茶でも飲んで行きなさい」
「…はい」
ジョセフが声をかけると、珍しいことに露伴はそれに応じる。
露伴が適当な椅子に座ると、ジョセフは自らポットを持ち、露伴のカップに注ぐ。
すると仗助がふいに口を開いた。
「…何かわかったことある?美登里ちゃん」
「…うん、自分のスタンドは昔からいたのかもって気づいた。
"自分が知らない自分のことをスタンドは知っている"って言われたからかなぁ…」
「へぇー…成程なぁ…」
「…そう言われたら、今まで出会ったスタンド使いの人達の特徴が分かってくるかも。」
「うんうん、そういう気づきが大切じゃよ。
突然大人だらけの場所に連れてこられて、緊張したのぅ。」
ジョセフの問いかけに美登里は柔らかく微笑む。
「そうですね、緊張しましたけど…
でも、こういうスタンド使いになったという事実で自分の見ている世界が広がったように感じます。
…そういう身分になったからこそ、皆さんにお会い出来たという経験が自分を成長してくれるものだと思っています」
美登里は一息ついてから、今度は向かい側に座る露伴に向かってこう述べた。
「露伴先生。今日は忙しいところ、ありがとうございました。」
「…まあいい取材材料になったよ。」
露伴はカップをソーサーに置き、次にそれをテーブルに置くと徐に立ち上がる。
「ジョセフさん。美味しいお茶をありがとうございました。承太郎さんも今日はありがとうございました。
では僕はこれで」
そう言うと露伴は部屋から立ち去った。
自由気ままに振る舞う彼を何だか憎めない、と美登里ははじめてそういう気持ちを彼に抱いた。
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