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承太郎らが戻ってくるまで、美登里はジョセフとともにホテルの客室にいた。
スピードワゴン財団の医療スタッフにも美登里は事件の詳細を伝え、頭に強い打撃を受けたことを報告したが、詳しいことは病院に行ってみなければ分からないと言われた。

帰宅したら母に病院を受診したいことを言わなければ…と思い巡らせた後、両親に心配をかけさせてしまうと美登里は今になって気づき、自分の行動は軽薄だったと反省した。



杜王グランドホテルに戻ってきた承太郎、そして仗助は神妙な顔つきであった。
承太郎は古びた木製の弓を携えていた。

「承太郎…!それは…」
「…ああ…恐れていたことが再び起きようとしているみてーだな…」

訳知り顔のジョセフの様子をみて、美登里は承太郎の手にある弓が何か重大な意味をもつものだと悟った。

「…承太郎、美登里さんにもこの弓が何なのか教えるべきだと思うよ」
「…」

そうジョセフに促された承太郎は、静かに窓の方へ歩き、全てのカーテンを閉め外部から決して覗かれないようにすると、仗助と美登里に窓際にあるソファに座るように言う。

仗助と美登里が座ると、承太郎とジョセフは向かいあうように反対側のソファに腰掛ける。
彼らの間にあるテーブルには、先程の木製の弓が置かれている。

「… 美登里くん、最初に君のスタンドは"弓と矢"によって能力を引き出されたのではないかと言ったな。

…これが、その"弓と矢"なんだ。矢はあろうことか、吉良の親父に盗まれてしまったが…」
「これが…」

美登里は唾を飲み込み、テーブルに置かれた弓を見つめた。

「吉良の父親に矢を盗まれてしまった、というのは…」
「…父親の幽霊が我が子可愛さに、味方となるスタンド使いを増やそうと矢を盗んだ。

それと同様に10年以上も前に、DIOという男が手下を集める時にも用いていた。」
「DIO…、その名前は何回か聞いたことがありますね…。」
「…ジョースター家と因縁のある人物じゃよ。わしのお爺さんとは兄弟であったとされている…」
「…それ以上は関係ない」
「いや話すべきことは話さないといけないよ、承太郎。
仗助と美登里さんには把握してもらいたいんじゃ」

…承太郎はジョセフを睨みつけるものの、ジョセフはその視線をものともせず、続けた。

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