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CDショップで顔なじみの店員と挨拶を交わして、仗助は美登里とともにお気に入りの洋楽コーナーに向かう。
お気に入りの歌手の新盤はつい先日手に入れたから、特に目新しいものはないが、今日は彼女に楽しんでもらいたいという一心の為である。

案の定、美登里は興味深そうに店内BGMに耳を傾けたり、仗助が手にしたCDの歌手名を記憶を辿って思い出そうとしていた。
CDショップに向かう道中で、前もって彼女の音楽嗜好について尋ねたが、少し自分と似たような感覚を持っているようで、それは仗助を喜ばせた。



1日の最後に美登里を送り届けようと、仗助は彼女の家に辿り着く。美登里は仗助と向き合う。

「今日は本当にありがとう。CDさっそく聴いてみるね」
「こっちこそありがとうな。…楽しかった?」

仗助の問いかけに美登里が頷いたのをみて、仗助は安堵感が体の中に広がるのを感じた。

「…また一緒に遊んでくれる?」
「もちろん、いいぜ。今度は遊園地でも行こう」





「おかえり、夕ご飯食べてきたの?」
「ただいま。ううん、家で食べるつもりだったから」

美登里がリビングに顔を出すと、ちょうど夕ご飯の準備をしていた母が声をかけてきた。
時計は6時を差していた。

美登里が自室に荷物をおいて、再びリビングに戻ってくると食卓にはすでに父親、母親が席についていた。美登里は自席に腰かける。

「…今日はあの男の子と一緒だったそうだな」
「うん。…東方仗助くん、前にもお父さんと会ったでしょう?」
「その男の子とデートしてきたんですって。
昔の私達を思い出しますね、お父さん」

何となく父親が仗助にいい顔をしないと分かっていた美登里は、彼の挙動に不安になっていた。母が助け舟とばかり出てきた言葉さえも、効果があるのか分からない。
しかし、ここで仗助のことをフォローしなければ父親は理解してくれないだろうと美登里は決意した。

「…仗助くん、話してみれば外見より怖い人じゃあないの。

私も最初は警戒してたけど、今じゃあすっかり気が合うから、何でも話すようになったよ。
…こっちに引っ越した時は頑固だと思うくらい東京に戻りたかったけど、仗助くんと友達のお蔭で杜王町のこともっと知りたいと思うようになったの。
将来は杜王町に関係する仕事に就けたならなぁと、最近思うようになったよ。

意地っ張りだった私を変えてくれたのは、仗助くんだから。だから、彼のこと悪く言わないで。お父さん」

父親は、美登里の言葉を遮ることなく最後まで聞いてくれた。
美登里はそのことに感謝し、そして彼がどう反応してくれるか心配になりながらも父親を静かに見つめた。
初めて父親に、自分の言葉で自分の意見を言ったと美登里は気づいた。


「…そうか、いい青年なんだな」
「…うん、とても家族思いで、友達思いで優しい人なの。心から信頼を寄せられる人。

仗助くん、お父さんが好きそうな洋楽のアーティストさん沢山知ってるからそういう意味でも話が合うんじゃあないかなぁ。」
「…なら1度会ってみたいな」

父親に仗助の人柄を認めてもらえたようで、自分のことのように美登里は嬉しくなる。そして、仗助と父親が気が合う関係になってくれたら嬉しいと思った。

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