彼女が呻くたびに俺への距離が近くなっていく。彼女の発する声が妙に色っぽく感じて、ここに俺だけでよかったと思った。南沢さんなんて居た日には確実に襲われる。 かわいいな。声には出さないけれどそう思った。そして彼女へ近づいて見る。女の子特有、の俺とは違う頬の柔らかさや睫毛。これらをすべて俺のものにできたらいいのに、なんて。 好きだぜ、と彼女の耳元で囁いて少しだけ照れた。これが恋人同士で、彼女が起きていたならどうだろう。相当甘い雰囲気だ。所詮は童貞の妄想だけれど。 彼女がすき、幼馴染から卒業したい。そう思っている。神童もこの気持ちを知っている。というか、サッカー部全員がこれを知っていた。 知らないのは、彼女だけ。 「いつか告白できたら、いいのにな」 そう呟いて、俺も横になった。たしか俺たちのクラスは二時間連続の家庭科の授業だったはずだ。そう思って寝ることにした。 眠るきみに秘密の愛を . |