小説 | ナノ

どうして俺以外の男としゃべるのかが解らなかった。おまえは俺の彼女だろう、と何回も言った。けれど彼女はほかの男と話す。神童、速水、倉間、浜野。一番許せなかったのは南沢さんだ。何故かというと、あの人はプレイボーイだという事。過剰のスキンシップはないけれど肩に触れたりだとかする。彼女が触られるたびに俺は言いようもない嫉妬に襲われる。どうしたら俺の言うことを聞いてくれる?彼女はマネージャーの仕事だから仕方ないの、と笑う。きっと事の重大さが解っていないのだろうな。

だから決行した。彼女を俺の部屋へ軟禁すること。親にも内緒だ。今から受験勉強がしたいから、と言って部屋の前に食事を置いてもらう。そして彼女と食べる。彼女は泣きじゃくりながら何で何でといつも呟いていた。うるさいなあ。静かにできないときは無理やりにでも口をふさぐ。キスしてやれば顔を赤くして俺の名前をよぶ。かわいい。

「蘭丸、なんで…」
「やだなあ、お前のこと大好きだからに決まってるだろ?」

そしてまた彼女にキス。このまま二人で窒息して死んでしまえたら、たぶん天国で幸せになれるよな?ああ、このまま。彼女と深く深く、しあわせに。


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