1014 16:46



「たとえばの話なんだけど」

「?はあ」

「たとえば、だからな」

「ええ」

「…あくまでたとえ話として、」

「それはわかりました」

「……たとえば、な?」

「はい、例えば」

「俺が、お前を好きだっつったらどうする?」

「………たとえばの話なんですよね」

「そう、例えば。一切の現実は介在しないし一切の事実とは乖離した今だとして、俺がお前を好きだとしたら、お前どうする?」

「ずいぶんと、物騒な前置きですね」

「そうか?全部たとえ話だぜ?」

「…なら、僕も。」

「は?」

「たとえば、今のきみの言葉はすべてきみの本心であったとして、僕がそれに同じ気持ちを返したら?きみはどうしますか?」

「!…っ、おま、…」

「あくまでたとえば、の話です」

「っ、……黒子って実はいい性格してるよな」

「ありがとうございます」

「褒めてねえ」

「きみは存外、臆病ですね。鷹というより雀みたいです」

「うるせー悪かったなチキンで」

「褒めてるのに」

「ふざけろよ」

「ふふ」



たとえば君が、






たとえばたとえばって何言ってるのかこのこらは

結局両想いです。へたれな高尾もたまにはいいなって。

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