||S・O・S!!


「ふふ、そんなに警戒しなくても良いのに」

そういって目の前で笑う彼は、とても綺麗な顔をしていて。突然の登場に混乱していた私だけど、それが現在片想い中の不二君であることに気が付くのにそう時間はかからなかった。

「ふ・・・、不二君・・・?」

恐る恐る尋ねてみる。すると彼はクスリと笑ってうなずいた。

「何か、私に用事?」

おこがましいとは思いつつも、聞く。不二君はまたそれにうなずき、ちょっと君に告白をね、といって笑った。

「・・・へ?、え、告白?」

聞き間違いか?しかし不二君は表情を崩さないし、私の言葉に訂正を入れる気もなさそうだ。
告白と言われて真っ先に頭に浮かぶのは、好きな人に思いを伝える・・・というあの告白しかないわけで。でもまさかそんな事・・・、それとも私の一生の運使い果たして奇跡起こったか?
いや、でももしかしたらそういう意味の告白じゃないのかも。もっと別の、業務的な・・・

「いや、その告白であってるよ?」

あ、そうなの?え、それってつまり恋愛の方の・・・って待て待て。今不二君ナチュラルに私の心読まなかったか!?気のせいならそうと言ってくれ!

「クス・・・さぁどうだろうね?」

・・・確定。不二君、絶対読心術使ってる。っていうかそれってそんなにあっさり使えて良いものなの!?不二君なら使えそうだけど!あと不二君ってこんなに怖い人だったっけ?

「牧野さん、そろそろ本題に移りたいんだけど構わないかな?」
「・・・はい、すいませんでした」

怖い。不二君怖い。かっこいいけど怖い。
さて、私は一体不二君に何を言われるんだろうと身構えていると、不意に不二君に抱き締められた。

「・・・え!?」

えぇ、ちょ、なんで!?私こんなとこで運使い果たしたくないんだけど!?
嬉しさ半分、驚き半分の中、反射的に逃げようと身をよじらせる。でも不二君の力が強くて、体制を変える事すらできない。

「僕から逃げようったって無駄だよ」

耳元で優しく囁かれる。それにビクリと体が震えるのと同時に、心臓の鼓動が急にスピードを上げた。あぁ、もう、今絶対顔赤い。

「ふ、不二く・・・」
「好きだよ、佑美」
「!」


SOS!!


(いきなり呼び捨てとか、もう反則でしょ・・・)
――――――――――――
甘くなった気がします。
黒い人は書きやすくて好きです。

2012/2/2 repiero (No,22)

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