||好きな色


むっちゃ好きな相手がおったら、そいつの為にほな頑張ろってなるやろ?俺もなるんや。でもなんか俺ヘタレらしくてな?(ヘタレちゃうわ!!)どうもそれが上手くいかんねん。
で、今はその子の情報を集めるのに必死なんやけど、好きな色ひとつ聞くのにもめっちゃ手間取ってまうねん。あぁ、俺どうすればええんや!!

「・・・あれ、謙也君?」
「はい!?」

突然後ろから佑美に声をかけられ、思いっ切り裏返った声で対応する。するとそれに彼女がクスクスと笑った。ええねん、いつもの事や(涙)。

「どっ、どないしたん?」
「あ、ううん。特に用はないんだけどね・・・」
「そそ、そうなん? そうなんか!」
「ふふ、うん、そうなんよ」

まぁ、こんな調子が続いてるわけだ。こんなんじゃ、付き合うどころか近付くことも難しい。でもなかなかこれが治らんのや・・・。

「クス・・・、あ、そういえば今日帰り暇?」
「え?あ、あぁ、暇やけど」
「ほんと?なら一緒に帰らない?嫌だったら良「勿論や!一緒に帰るわ!俺!」・・・ふふ、良かった」

にこりと佑美が微笑む。あかん、俺もう天国行ってまいそうや・・・。
そうして俺が夢見心地になっていたところで、唐突に佑美が口を開いた。

「あ、そうだ。白石君から聞いたんだけど、私に何か聞きたい事があるんだって?」
「え?」
「ふふ、何を聞きたいの?なんでもどうぞ」

佑美はにこにこ笑顔、対する俺は真っ青も良いとこや。確かに白石には色々相談してはったけど、なにも佑美に言わなくてもええやん!?たぶんフォロー入れてくれただけなんやろうけど、そんな事されたら俺爆発してまうわ!!

「え、いや、それはやなぁ・・・」

言え、俺!好きな色なにって聞くだけやん!!すぐ聞ける事やんそんなの!頑張れ俺、負けるな俺!!

「そ、その「あー、ねーちゃんやー!!」・・・金ちゃん!?」

俺の声を遮るようにして、金ちゃんが遠くから走ってくる。そして到着するや否や、佑美に抱きついた。・・・なんやねんコイツ!!羨ましいわ!!

「きゃ・・・、もぉ、金ちゃんってば・・・」
「なーなー、ねーちゃんに聞きたい事あるんやけど、ええ?」
「ん? なぁに?」
「ま、待て待て俺がさ「あんなぁー、ねーちゃんの好きな色、なに?」・・・!?」
「え? 好きな色? うーんとオレンジかな・・・って謙也君!? 謙也くーん!?」

も、もうだめや俺・・・金ちゃんに先越されるやなんて・・・!!
涙をぬぐいながら、佑美から離れるようにして全力ダッシュ。できるなら、できることなら自分で聞きたかったのに。
でも好きな色がわかったから良いか、なんて楽観的に考えてしまう俺はまだまだヘタレやな。


きな色


――――――――――――
謙也の甘でした。
勢いのあるヘタレ。

2012/2/3 repiero (No,3)

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