||独占欲


「精市って、独占欲強いよね」

今日もブラックな私の彼氏に、何気なくそう告げたのが始まりだった。

「・・・じゃ、独占しないであげよっか?」

ニヤリと黒く笑みを深めた彼に、私はぶるりと身震いした。





「精市、やめて!」
「クス・・・、俺に逆らうの?」
「ひっ・・・、」

どうしてこんな事になったんだろうか。目の前には怪しい笑みを浮かべる精市、その後ろには仁王君、丸井君の2人がいる。他のメンバーは練習に行ってしまっていない。

拘束された両手は頭上で括られ、私は軽く万歳をするような形で精市に押し倒されている。身を捩ろうものならば、精市の腕がギリギリと両手を締め上げた。

「はじめるよ」

精市が一言笑い、ブラウスのボタンを外し始める。ぷつ、ぷつ、と一つ一つ外される度に、どうしようもない羞恥が身を襲った。

「ひっ・・・、ぁっ!」

ブラジャーをずりあげられ、露になった胸元を熱い舌が這う。そうされた事は別に初めてではない、けれど今回はいつもと訳が違う。精市以外の人に見られているという事実に、身体が別の何かに支配されたように動かない。舌が突起の近くを動くたびに、びくりと身体が震えた。

「せい、いちっ!やめてっ!」
「・・・へぇ。ここ、硬くなってるくせに?」
「ぁっ・・・、」

突起を軽く舐め上げられて、肩を震わせる。そのまましゃぶるように口内でそれを転がされ、快感に身を捩った。

「ほぉ・・・、感じやすいんか?」
「うわ、仁王変態みてぇ」
「つば飲み込んでるお前の方がよっぽど変態ナリ」

目の前でのん気に会話をする2人が妬ましい。いやだ、やめて、と言いたいのに、私の頭はすでに快感に支配されてしまっている。あぁ、と切なげに喘げば、いやらしい笑みが彼らに広がった。

「・・・そろそろ、良いかな」

クスリと精市が笑みを零して、私のスカートと下着を下ろす。全て服を脱がされ、裸になった私の姿に、誰かがごくりと唾を飲んだ。けれど、それが誰だったかなんてどうでも良い。早く、この状況を脱出しないと・・・、

「ぁっ、んっ!!」

精市の細い指が、入り口の辺りをそっと伝った。それに悲鳴が漏れ、慌てて口を紡ぐがもう遅い。精市の背後には、欲情した2人がゆらりと立っている。誰かの手が私に伸びてきた。

「おい、幸村・・・・・・」
「・・・誰が触って良いっつった?」
「・・・は?」

精市が、怒りを露にした様子で振り返る。私に伸びていた手は引っ込められ、困惑げな表情を浮かべている。

「佑美を見て興奮するのは勝手だけど、その性欲処理の手伝いまですると思ったら大間違いだよ」
「ゆき・・・」
「わかったら早く下がりなよ。殴られたい?」

精市が鋭く睨みつける。私はそれを呆然と見つめて荒く息をしていたが、2人にとってはかなりの効果があったらしく、黙って部室を出て行った。

「・・・さ、続きしよっか」
「・・・・・・精市?」
「なに?なにかあるなら早く言ってよ。もう限界なんだけど」
「・・・ん、なんでもない」
「そう」

精市は小さく微笑むと、そのまま自身を私の秘部へとあてがった。ゆっくりとスピードを上げつつ、それの律動が始まる。

「ぁっ・・・、ぁっ、あ、あぁっ、」

3人がいなくなった事によって、緊張していたからだが一気にほぐれた気がした。そのまま身体を快感の海に預けて、精市の熱を受ける。彼のモノが最奥を突く度、とても自分のものとは思えないような甲高い声が上がった。

「あぁぁんっ!!」
「・・・くっ、」

一瞬精市が表情を歪めた後、どん、と中に衝動が訪れた。精市が自身を抜き放って、私の隣に腰を下ろす。起き上がれずにいる私を見つめ、ふ、と小さく彼が微笑んだ。

「・・・佑美、」
「な、に?」
「俺に独占されるのは、嫌?」

その言葉に、私は数回目を瞬かせる。それから小さく、

「・・・もう、いじわる」

と笑った。


占欲


「でも、次こんな事したら絶交だからね」
「はいはい、佑美にそれができたらね」
――――――――――――
拍手にてリクエストをいただきました。
ご満足いただけましたら幸いです!

2012/3/13 repiero (No,33)

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