||恋の定義


恋というのは、俺には理解できないものだ。

「佑美」

目の前にいる少女に微笑みかける。すると彼女は、毎回決まって顔を赤くした。小さな声で、どうしたの、と聞いてくる。

「なぁ、恋の定義を教えてくれないか?」
「・・・へ?・・・恋に定義なんてあるの?」
「ないのか?」
「えぇ?・・・わかんない」
「色々データを取ってみたんだが、俺にもよくわからなくてな」
「や、柳くんにもわからないのに私にわかるわけないよ」
「佑美が答えを知っている確立、95%だ」
「えぇー?うーん・・・・・・」

困ったように苦笑してから、佑美が首を傾げる。しばらく唸った後、急に頭を上げてこちらを見た。それをまっすぐに見つめ返してやれば、彼女の頬が赤く蒸気した。可愛い。

「・・・よく、わからないけど・・・・・・」

佑美が話し始める。

「恋をすると、その人の事で頭がいっぱいになったり、その人と一緒にいるだけでドキドキしたりするよ」
「ふむ」
「あと、その人の事を目で追ったり、意味も無いのに話しかけてみたくなったり・・・。私は、そんな感じかなぁ」
「・・・なるほど。良いデータがとれた」

ふ、と微笑みかけて、手に持っていたノートを脇におく。

「今ので、佑美が俺に恋をしている確立が98%である事がわかった」
「・・・へ、」

こちらを見つめる彼女の顔が、ぼ、と一気に赤くなる。どうやら正解のようだ。

「そ、そのっ・・・、」
「しかし、それ以上に・・・」
「え?」

顔を赤くしたまま、佑美が不思議そうに首を傾げる。そんな彼女に小さく微笑んで、そっと耳元に口を寄せた。

「俺がお前に恋をしている確立は、100%だ」
「え、・・・・・・ん」





重ねた唇を離してやれば、佑美の顔が真っ赤だった。
――――――――――――
甘くなったでしょうか。
柳さんだから許される行動であって、実際にされたら張り倒したくなりますね。

2012/3/3 repiero (No,28)

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