||窮屈な愛情


「綾乃ー」
「あ、それそっちお願い」
「綾乃ー」
「え?・・・うーん、頑張ってみる」
「・・・綾乃ー」
「了解!そっちも頑張って!」
「・・・綾乃!!」
「あ、それそこだから間違えないでね」

相変わらずこちらには見向きもしない彼女に、ひとつ大きくため息。頬杖をついて、せかせかと動き回る彼女を見つめる。
彼女は綾乃。3-Bのクラス委員として働く俺の恋人だ。仕事熱心なのは良いが、それを理由に全然俺と遊んでくれない。

(俺と(委員会の)仕事、どっちが大事なんじゃ!)

なんて女々しい事を思っては見るが、ただ考えているだけで綾乃に届くはずもない。本日何度かめになる溜め息が漏れ、頬を膨らませた。

「・・・綾乃。こっち向きんしゃい」
「あー、悪いんだけど後にしてもらっていい?」

タイミング良く彼女が後輩にそんな事を言い、ちょっとへこんだ。実は、ちゃんと聞こえてるんじゃなかろうか。それで狙って返事を返してるとか。さすがにないとは思うが。

「・・・綾乃、」
「え?」

何度かめになる声がけをすると、ようやく彼女が振り返った。それに一瞬顔を輝かせかけた俺だったが、彼女が振り返ったのは、・・・俺ではなく、別の男だった。

「この案件についてなんだけど・・・」
「あぁ、それなら・・・」

俺の事なんて見向きもしないその様子に、ブチリ、と何かの切れる音がした。

「綾乃」
「・・・え?」

今更のようにこちらを向いた綾乃に、にっこりと笑った。





腕を掴んで、強引に連れ出したのは保健室。無言で鍵をしめ、彼女をベッドに押しやる。そのまま押し倒して覆い被さると、綾乃がハッとしたように叫んだ。

「まさ、何すんの!?」
「・・・・・・」

顔をしかめた彼女の唇を塞ぎ、無防備な口内へ舌を差し入れる。それだけで彼女はビクリと震え、それに俺は笑みを深めた。

「んっ、ふぅ、ん・・・」

巧みに舌を動かしてやれば、じんわりと彼女の目に涙が浮かんだ。

「雅治っ、やめっ・・・」

言葉を止めるようにそっと口付け、その細い肩を抱き締める。綾乃は必死に俺から身体を離そうとするが、両手首を押さえつけるとすぐに動けなくなった。それを確認するなり、いきなるスカートの中に手を突っ込んだ。

「や、め・・・っ」

下着ごしにその割れ目をなぞり、軽く刺激をくわえる。するとすぐにそこが濡れ始めた。

「濡れちょるけど」
「・・・っ」

恥じるように顔を背けた綾乃の頬に愛しげにキスを落とす。指は円を描くように割れ目の辺りをなぞり、そのたびにビクリと彼女の身体が震えた。

「・・・えろ」

ふっ、と軽く息を吹き掛けてやると、下着から溢れんばかりの密が垂れる。下着を下ろしてそれを眺め見れば、羞恥からかその勢いは更に増した。

「見られて興奮するんか」
「ちがっ・・・ぁあっ、」

指をそっと割れ目に添えると、それだけで高い声が漏れる。思わず浮かんだ笑みはそのままに、人差し指を秘所へと差し込んだ。ぐちょ、という卑猥な音が指の進行に合わせて鳴り響く。

「あっ、あぁ、はぁっ・・・ん、」

彼女の意思とは関係なしに、くねくねと身体が反らされる。まるでこすり付けるような猥らな動きに、ますます笑みが深まった。

「のぉ、なんで俺がこんな事するかわかるか?」
「んっ、はぁ・・・、わかん、なっ・・・」
「わからんか」

言葉を荒げる代わりに、怒りを露にするかのように指の動きを速めた。抜き差しを何度も繰り返し、やがてその指を2本、3本と増やしていく。バラバラにそれを動かしてやれば、綾乃の喘ぎが一層甲高くなった。

「気持ち良さそうじゃな」
「っ、あん・・・、」

指が動くたびに、彼女の腰が揺れるたびに、静かな保健室に卑猥な音が響く。綾乃はそれにすら興奮してか、熱い吐息を漏らす。最初こそ抵抗していたものの、もうこの快感には理性では逆らえなくなっているようだった。

「・・・のぅ」
「え・・・っ、」

声をかけた直後、一気に入れていた指を全て引き抜いた。蜜がたっぷりと絡めとられた俺の長い指を、綾乃の切なげな目線が追う。中途半端な快楽の波におかれ、もどかしいのだろう。

「言ったじゃろ、お仕置きって。・・・綾乃が俺の怒ってる理由を当てられるまで、続きはなしじゃ」
「いじわ、る・・・」
「意地悪はどっちじゃ。わかってるんじゃろう?」
「・・・っ」

綾乃はこちらを見つめて悩ましげに瞳を揺らした後、快感欲しさに負けてか、ゆっくりと口を開いた。

「・・・私が、仕事ばっかで雅治のこと見てなかった、から」
「せーかいじゃ。じゃあ、俺を怒らせんようにする方法もわかるな?」
「・・・う、ん」

小さく頷いた彼女の頭をわしわしと撫でると、彼女の秘所へと己のモノを突っ込んだ。

「ひぁ、ああぁっ!?」

何の前置きもなしの、突然の行動。綾乃が叫び声に近い喘ぎを上げるのもお構いナシに、一気に腰を振る。愛しい彼女の乱れる姿を見て興奮しないほど、俺は聖人でも賢者でもなんでもなかった。

「あっ、ぁあっ、あっ、あっ、」

しばらく彼女を喘がせ続けた後、2人同時に達した。腕の中で荒く息を繰り返す彼女を見つめ、そっと愛してると囁いた。


屈な愛情


――――――――――――
長らくお待たせしました、嫉妬裏完成です。
リクエストありがとうございました!

2012/6/29 repiero (No,46)


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